創業明治四十年|漢方井口薬局|漢方薬 調剤処

元氣創造ブログ
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季節のコラム
■季節のコラム 慢性病治療のポイント■(2018年8月号より)


 慢性病の治療では「病気の原因や誘因を理解すること」ことと「薬だけで治そうとしない」ことが大切です。
 いちど治ってもまた再発する症状や、長年治らない病気のご相談では、以下の点をきちんとご理解いただくことが重要だと考えます。

「いま病気でも大丈夫」

 我々の体は60~100兆の細胞で成り立っていますが、日々入れ替わっています。

 ・脳 …脳細胞を構成するアミノ酸は1ヶ月で40%が、1年で残り60%が入れ替わる
 ・肝臓 …2500~3000億の細胞が1ヶ月で90%、残り10%が300日で入れ替わる
 ・胃腸粘膜 …粘膜は1~3日で、食道や口唇粘膜は4~15日で入れ替わる
 ・筋肉 …体重の40%ある筋肉は1ヶ月で60%が、残り40%が200日で入れ替わる(胃腸の蠕動運動を生み出す筋肉も同じ)
 ・骨 …骨質は水分25%・タンパク30%・無機質45%で構成。無機質の大部分はリン酸カルシウムで50日で30%が、残りは約2年で入れ替わる
 ・血液 …男性5リットル、女性4.5リットル(体重の約1/12)の血液は100~120日で入れ替わる

 入れ替わるということは、病気は一生ものではない…言い換えれば「何歳になろうが人には自然治癒力や回復力がある」ということです。
 入れ替わりの素材となる栄養、栄養を新陳代謝する内臓、新陳代謝を支える血液と血管の3つがしっかりしていることが自分自身の治す力(自然治癒力)を高めます。

「効くと治るは違う」

 「効く」とは症状が楽になること、「治る」とは病気の原因がなくなって再発しなくなることです。
 「効く薬」とは比較的短期間で効きめがわかるもので、病院の薬や症状改善のための漢方薬がこれに当たります。
 「治る薬」とは時間をかけて自然治癒力(栄養・内臓・血液血管)を高めるもので、体質改善のための滋養強壮剤・漢方補益剤・栄養成分がこれに当たります。

 「治る薬」は短期間では効きめが判りにくいですが、半年~1年後には必ず自然治癒力・回復力の向上を感じることができるものです。
 最も大事なことは同じ病気を繰り返さないことであり、その意味で慢性病の治療と再発防止には「効く薬」と「治る薬」の組み合わせと「正しい予防養生法」こそが大切です。
 (相談時にはすでに病院の薬を服用されていることが多いので、店頭では基本的に新薬と併用できる補益剤・漢方薬・栄養食品をお薦めします)

「正しい予防と養生法を知る」

 我々の今の体は、日々の生活習慣によって作られています。間違った「食」「運動」「心」の習慣を見直し、体の環境を変えることができれば入れ替わりが促進され、病気の治り方が格段に違ってきます。
 数年後には全くの別人となり、若返ることも不可能ではありません。

「体力線を上げる」

 ①治る薬(+効く薬)の服用
 ②正しい栄養補給
 ③食・運動・心の習慣の改善

 ができれば、健康の土台となる内臓・血液・血管を丈夫にして「体力線」すなわち自然治癒力を高めることができます。
 体力線が低下すると様々な症状や病気が発生してしまいます。
 体力線を高めれば「健康」に、さらに高めることにより健康貯金ができれば「元気」になるのです。
 元気ラインまで体力線が上がれば、少々の疲労やストレスがあっても不調や病気が顔を出すことはなくなります。

 体質改善、体質強化とはまさに体力線を上げることに他なりません。
 詳しくは店頭でお尋ね下さい。

■季節のコラム 健康法の2つの基準■(2018年6月号より)
 世の中には体にいいとされる健康法や情報が次々と生み出されています。何が本当に正しいのかの判断に困る昨今ですが、健康法には2つの基準があると私は考えます。

 1つめは「体質・生活・食事に合った健康法」です。
 体質の偏りや不調の原因は個人個人違うので、体質・生活・食事をよく聞き取って初めてアドバイスができます。不調を改善するときの食養生や運動法、漢方処方の選択などがこれに当たります。この場合は例えテレビ・ネット情報で心惹かれてもサプリ・漢方薬・運動法の側から選ぶべきではなく、体質・生活・食事を考慮し不調の原因を探ったうえで選択しないと、効果が出ないばかりか悪化することもあります。

 2つめは「体のしくみ・働きから考えた健康法」で、こちらは個人差に左右されず、人体生理に基づきアドバイスができるものです。健康を維持するときの食養生や運動法、漢方製剤などがこれに当たります。

 それぞれの相談例を挙げてみましょう。

 長年の筋肉痛と腰痛を治したい
 芍薬甘草湯を服んでいるが少し楽になる程度
 芍薬甘草湯は筋肉痛に効果がありますが、長期服用は控えるべき薬なので、この場合は不向きでした。
 この方の場合は冷えやすい体質、デスクワークの姿勢、栄養成分の偏りに問題があったので、食事や生活の養生法を伝えるとともに、血流を改善し体を温める漢方補益剤+筋肉や骨の弱りを補う処方の長期服用をお薦めし、徐々に腰痛が軽減してきています。

 デトックスしたいが自己流では効果がなかった

 この方の場合、デトックス(解毒)には「水分やサプリをしっかり取って、運動したり岩盤浴や半身浴することで汗から毒素を排出して代謝をよくする」というイメージがあったようですが、実は汗から有害物質が体外に排泄されることはなく、また水分摂取や発汗と新陳代謝の良し悪しは無関係です。
 体内の解毒を担っているのは汗ではなく、肝臓と腎臓です。まさに肝腎要(かんじんかなめ)の二臓が協働して有害物質を分解して体から追い出してくれているのです。肝臓は体内に必要なものを造り出す化学工場であり、腎臓は体液バランスや血圧を調節し、骨や血液を造る司令塔でもあります。肝臓・腎臓を守ることは解毒力を高めるために不可欠であるとともに、健康度を高めるためにも大変重要なのです。
 相談者には大きな体質の偏りがなかったため、内臓を冷やさないよう食事に気をつけること、シャワーではなく毎日湯船に浸かって入浴することともに、肝臓・腎臓を中心に内臓の働きを助ける漢方製剤を服用していただき、むくみ・肌荒れ・生理痛が改善し今に至っています。彼女曰く「岩盤浴しなくなったけど今のほうが温まるし体調がいい」とのことです。

 情報の時代ですが、ウソやエビデンス(医学的根拠)のない話にはだまされないように気をつけましょう。
■季節のコラム 春の養生法■(2018年4月号より)
 草木が芽吹き、冬眠していた動物たちも目覚め始める春。人の身体も同様に、暖かくなると新陳代謝がよくなります。そのため、冬のあいだに溜まった老廃物のせいでニキビや吹き出物などの肌荒れがいつもより現れやすくなります。また、春は新しいことが始まる季節でもあり、心もバランスを崩しがちになるため、小さなことにもイライラしたり、落ち込みやすくなったりします。
 そんな春の不調は「気・血(けつ)の巡りを良くする」ことが解消のカギとなります。

 右図は東洋医学の五行説に基づくものです。
五行とは、万物を「木・火・土・金・水」の5つの要素に分類し、それらの関係を説いた理論です。この5つは、互いに支配したりされたりして絶妙なバランスを保っています。
 五行の中には季節や方角、色、五臓(肝・心・脾・肺・腎)なども振り分けられており、生活の中に根づいた考え方です。
 五行説では、春は他の季節と比べ「肝」の機能が高ぶりやすく不安定になり、気が乱れて滞りやすくなると考えます。また、気が滞ると血にも影響が及び、血の巡りも乱れて悪化してしまいます。気・血の巡りが両者とも悪くなると様々な不調を引き起こしてしまうため、春は気・血の巡りを良くして体調を整えることが大切なのです。

 《こんな症状はありませんか》

 具体的に気・血の乱れが原因で引き起こされる不調とはどのようなものでしょうか。次に挙げたものが当てはまる場合は「肝」と「気・血の巡り」に気を配り、養生することが大切です。

 ・イライラする、または落ち込みやすい
 ・肩こりが慢性的にある
 ・肌荒れやくすみが気になる
 ・傷跡やアザが残りやすい
 ・生理不順や生理前の不調がある
 ・のぼせる、または冷えのぼせがある
 ・めまいやふらつきがある

 《春から梅雨時の養生は》

 *冷たいものを摂り過ぎない
  冷えは血の流れを滞らせる原因になります。春といっても朝夕の冷え込みもあり、身体は冷えがちです。冷たい飲料を避けたり、生野菜を温野菜にしたり、温かいものを摂るよう心がけましょう。

 *香味野菜を上手に使って気を巡らす
  春菊や三つ葉、セリ、タマネギ、大葉などは気の巡りを良くしてくれます。気持ちがすっきりしない時などに取り入れてみてはいかがでしょう。

 *早起きは三文の徳
 「春眠暁を覚えず」という言葉がありますが、朝寝坊はおすすめできません。春は日の出とともに陽気が動き始めます。「あと10分」と思う気持ちをグッとこらえて早起きを心がけてみましょう。

 *適度な運動で血を巡らせて
  特に生理痛や下半身の冷えが気になる方はウオーキングで骨盤まわりの血行を促しましょう。
  通勤時にひと駅分歩くなど無理のない範囲で取り入れるのがおすすめです。長時間座りっぱなしの状態も、骨盤まわりから下半身の血の巡りを妨げます。定期的に立ち上がり、のびをしたり歩いたりしましょう。
■季節のコラム 運動療法の問題点■(2018年2月号より)
 近年、転倒骨折や寝たきりに繋がるロコモ症候群(膝関節炎・座骨神経痛・脊柱管狭窄症・骨粗鬆症など)が話題になり、その予防法として様々な体操やリハビリ方法が認知されるようになりました。しかしながら、店頭で多くの方と接していると、運動だけでは症状が改善しない人や、むしろ悪化してしまう人がたいへん多いことに気がつきます。
 運動療法の目的は骨・関節とそれを動かす筋肉を強化することですが、骨・関節・筋肉を構成する成分であるタンパク質(アミノ酸)やミネラル(カルシウム他)は毎日体内で消費され減っていくので、いくら運動をしても、それを作る材料(栄養)が新たに補給されていなければ筋肉は強くならず、むしろ消耗して痛めるだけです。
 ところが店頭で食事内容についてお聞きすると、年齢を問わず『朝はパンとコーヒー、昼は麺類、夜はご飯とおかず』というようなパターンがとても多いのです。この食事内容を一言で表すと『タンパク質・ミネラル不足と炭水化物過剰』です。
 このような食生活では大人で1日60gと言われるタンパク質の必要量(…ちなみにサーロインステーキだと600g、卵だと10個、豆腐だと3丁、牛乳だと1.8Lが必要)にはとても届きません。
 基本的な栄養成分が足らない状態で、運動やストレッチ、ウオーキングを行い、骨・関節・筋肉に負荷をかけ続けたらどうなるでしょう。これが腰や膝の痛みがなかなか改善しない最大の理由です。
 最近は治療のために骨粗鬆症の薬やホルモン剤など、様々なお薬が病院から出ますが、栄養補給をおろそかにしては症状改善は難しいことを肝に銘じておましょう。

 本来、私たちの体の細胞(皮膚・内臓・神経・筋肉・骨・血液など)はすべてが常に入れ替わっています。
 例えば、胃粘膜は3日で100%が、筋肉は1ヶ月で60%が入れ替わりますし、血液は4~6ヶ月で、脳細胞や肝臓・腎臓の細胞は1年で、骨は2~3年で新しくなります。つまり、体はたとえ何歳であっても生きている限り絶え間なく新しくなっています。外見はそう変わらなくても、3年後の自分は細胞という面から見れば全くの別人なのです。このような入れ替わりを体内再生…最近では動的平衡とも呼ばれます。
 この体内再生のための細胞の原材料が食事の栄養なのですから、飲食の偏りや不足がいかにコワイかがお判りいただけると思います。

 *骨・関節・筋肉の強化にはゆっくりと筋肉を動かすスクワットや片脚立ち運動などが基本となります。
  ウオーキングや単純な体操などではインナーマッスル(…姿勢の維持や下半身を使う動作を制御する筋肉)を鍛えることができません。
 *骨・関節・筋肉の強化に必要な栄養素はタンパク質(アミノ酸)・ミネラル(カルシウム他)です。
 *栄養補給は1日3回、毎食の補給が必要です。また運動やリハビリ後の補給が特に有効です。
 *運動と栄養補給と血流改善がセッ トにならないと骨・関節・筋肉の強化はできません。

 さらに東洋医学では、骨・関節・筋肉の老化防止には「肝」と「腎」の強化が不可欠だと考えます。
 「肝」には全身に栄養を送るための血液の質や血流をよくするとともに、筋肉の形成と維持を助ける働きがあり、「腎」には体力や運動能力のエネルギー元となるとともに、骨や関節の形成と維持を助ける働きがあるからです。
 体内再生を促進するためには漢方の気血双補剤や補腎剤が役立ちます。
 詳細は店頭でお尋ね下さい。
■季節のコラム 冬の健康管理法■(2017年12月号より)


 これからの時期はいよいよ寒さも本格的になってきます。ちょっと油断すると、のどが痛くなったり、咳が出始めたり、お腹を壊したり、そこからカゼを引きこんでしまうことも少なくありません。
 冬にいちばん気をつけたいのは“冷えから起こるカゼ”です。漢方では、冬の寒さや寒冷食品の取り過ぎで身体に冷えが入り込むと、カゼをはじめ様々な不調につながる(風寒・寒湿)と考えるので、カゼ予防も身体を冷やさないことがなにより大切です。食事は温かいものを取るよう心がけ、薄着や肌を出すような服装は避けましょう。特に3つの首(首・手首・足首)を意識して温めると、冷えの予防につながります。
 食材では体を温めて冷えを発散させるシナモン、しょうが、ねぎ、にんにく、タマネギ、ニラなどが、漢方製剤では気血を補い巡りを良くするレオピン・霊鹿参・婦宝当帰膠などがオススメです。
 冷えの侵入を防ぐという点では、身体の防衛力と深い関わりがある肺を健やかに保つことも重要です。肺は乾燥に弱いので、空気が乾燥する冬は肺やのどの粘膜で不調や免疫力低下を起こしやすくなるからです。肺を守るには、滋潤の働きがある食材を積極的に取り、体内の潤いをしっかり保つようにします。
 食材では肺を潤し咳を和らげる蜂蜜、ゆず、みかん、梨、ビワ、レンコン、白きくらげ、ゆり根、豆乳などが、漢方製剤では皮膚粘膜に潤いを与え、炎症を鎮める瓊玉膏・紅芝泉・生脈散などがオススメです。同時にマスクや加湿器などでの乾燥対策も忘れないようにしましょう。

 もうひとつ冬に気をつけたいのが“冬うつ”です。
 寒くなる頃に気分の落ち込みを感じる人は冬うつかもしれません。漢方では、冬のうつは体内の陽気不足から起こると考えます。陽気(エネルギーであり活動力・決断力の元になる)は心身の活動を支える、まさに「元気の源」であり、太陽のエネルギーが強い春から夏には盛んになります。反対に日照時間の短い冬は陽気も不足しがちになり、そのため心の元気を失いやすく、冬うつになってしまうのです。
 冬うつの特徴は、不眠や食欲不振など一般的なうつに見られる症状に対し、眠気が強く食欲が比較的旺盛(特に炭水化物…甘いものを欲する)であることです。思い当たることがある人は早めに対処しましょう。
 冬うつ対策の基本は、陽気の源を蓄える腎の働きを守ることです。腎は冷えに弱いので、入浴や服装の工夫でしっかり身体を温めることが大事です。胃腸の働きを整えてバランスよく栄養を取り、早起きをして太陽をたっぷり浴びることも陽気の充実につながります。ストレスの発散も大切で、気持ちを穏やかにして体内の気の巡りをスムーズに保つよう心がけましょう。
 食材では腎を補うエビ、シイタケ、くるみ、栗、黒豆、大豆、やまいもや、気の巡りをよくするゆず、みかん、ジャスミンなどが、漢方製剤では腎を温め補い、気血の巡りを良くするレオピンロイヤル、エナックW、霊鹿参、感應丸氣、亀鹿霊仙廣などがお薦めです。

《冬の養生ポイント》

・夜は早く就寝し、朝は日が昇ってから起きる
・適度に運動を行い、防寒保温を心がけて陽気を守る
・自分の体質に合った滋養強壮を行う
・腎機能を健やかに保つ

 冬に植物が枯れたり、動物が冬眠するのは春に向けて冬の間にエネルギーを蓄えるためです。人間の場合、エネルギー(精)は腎に蓄えられるので、腎を冷えから守ることは冬の養生ではとても重要です。

■季節のコラム 腎臓が寿命を決める■(2017年10月号より)


 人体は脳が司令塔で、他の臓器は脳に従うというのがこれまでの常識でした。しかし最近では体内の臓器同士が直接情報を交換して支え合っていることがわかってきました。人体は、指令物質を通して臓器間で連関することにより生命を維持する巨大ネットワークであるという考え方に変わってきているのです。
 臓器間で行き交う指令物質は現在わかっているだけでも数百種類あり、それを全身に送り届けているのが血管です。血管は各臓器を繋ぐ通路なので、血管に障害があると臓器の健康も保てなくなります。

 すなわち生命維持に必須なのは臓器間のスムーズな連関と血液血管の健康です。そしてその意味から臓器の中でも特に大きな役割を担っているのが腎臓です。

腎臓には主に以下のような働きがあります。

 尿を造る…血液を濾過(必要なものは再吸収)して尿を作り、老廃物や塩分を排泄する。排尿と再吸収により体液のバランス調節と血液の健康管理を行なう。

 血圧を調節する…塩分と水分の排出量調節と、腎臓からの昇圧物質分泌により血圧コントロールを行う。

 血液を造る…腎臓からのエリスロポエチン分泌により骨髄で赤血球を増産する。

 強い骨を造る…腎臓で活性型ビタミンDをつくり、カルシウム吸収を促進して丈夫な骨を作る。

 腎臓が血圧や造血、骨形成の司令塔であることはあまり知られていないのではないでしょうか。
 なお、これらの働きはすべて腎臓自身の判断ではなく他臓器からの働きかけによって起こります。
 腎臓と連関して働いている臓器は心臓・肝臓・肺・胃・腸・脳・骨・甲状腺などであり、心臓が送り出す血液の4分の1は常に腎臓に送られています。臓器間の連関、血液血管の維持という両面から腎臓はまさに体内ネットワークをコントロールする中心的存在です。


 全身の臓器と深く結ばれていている腎臓は、その複雑で精緻な仕組みゆえに人体で最も傷つきやすい宿命も背負っています。腎臓がダウンすると多臓器不全の引き金になり、逆に他臓器に病気があれば腎臓に悪影響が出てしまうのです。欧州では入院患者の5人に1人が急性腎障害になっていて、腎臓を守っていれば年間20万人の命が救えていたというデータもあります。世界の医療現場では腎臓以外の病気の患者であっても、腎臓の状態を常に監視することの大切さが重要視されるようになってきました。

 《腎臓が寿命を決める》
 最新の研究では、腎臓が調節する血液成分のひとつリンの濃度が寿命と関係することがわかっています。
 リンは肉や豆に含まれる重要な栄養素で、不足すると呼吸不全・心不全・骨軟化症などを、逆に多すぎると老化(動脈硬化や骨粗鬆症)を促進します。血中のリン濃度が低いほど寿命は延びるのですが、腎臓の働きが落ちると血液中のリンを処理排泄できないため老化が進んでしまいます。腎臓が健康であれば、老化を遅らせ寿命を延ばせる可能性があるのです。

 《東洋医学との類似点》
 以上のような臓器連関と腎臓の重要性は、実は漢方の考え方とかなり近いものがあります。
 漢方では脳よりもむしろ五臓(肝・心・脾・肺・腎)が人体をコントロールする主体であると考えますし、五臓の間のやりとりである相生(助け促進する)、相克(抑制しあう)関係はまさに臓器連関そのものです。
 腎には(腎)精が充実しており、生命力の根源となり発育と老化を制御する ⇒ 腎臓が寿命を決める
 腎は水をつかさどる ⇒ 腎臓が水分代謝を支配する
 腎は骨をつかさどる ⇒ 腎臓が骨や髄、脳を作る


 このように漢方でも腎は免疫力や生命力の源だと考え、体質改善には補腎益清(腎精を補い生命力を高める)や抗老防衰(老化防止)ができる補腎薬を基本に考えます。疲労や睡眠不足が溜まっている方、慢性病や持病をお持ちの方は生命力の土台である腎臓をいたわり、血液血管の老化を未然に防ぐことが大切です。

■季節のコラム 「命を守る食養道」■(2017年8月号より)


 我々は食物を消化・吸収・代謝することでエネルギー(気・血・津液・精)を生み出し、新陳代謝を行っています。したがってその舞台である消化器系を整えることは健康を維持するうえでとても重要です。
 そもそも消化には、胃液・胆汁・膵液などの消化液(消化酵素)による化学的消化と、咀嚼や消化管運動による機械的消化があり、どちらか一方に問題があるだけでも消化不良や逆流性食道炎・胃腸炎・潰瘍・便秘・下痢、さらには腸内環境が悪化してポリープや免疫低下を引き起こす可能性があります。
 以下の養生法で主に機械的消化を正していけば化学的消化の働きも自然と向上し、消化力自体がよくなるでしょう。

 ~命を守る食養道~ 

①早食いせず、よく噛んで食べる
 しっかり噛むことで胃の働きを助け、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぎます。また唾液分泌が増えるので消化吸収・食中毒予防・発ガン予防ができます。

②味の濃いものを食べ過ぎない
 塩分・糖分・味付けが濃いとのどが渇き、水分摂取が増えて消化力が低下するとともに、むくみやすくなります。香辛料や薬味を使い、薄味を心がけましょう。

③食事中は水分を控える
 胃液が薄まり消化力が低下します。水分は消化吸収に影響しない時間に摂ること。普段からがぶ飲みせず、唾液を混ぜて飲み込むよう心がけましょう。

④酸味を利用する
 料理の中にレモンや酢、梅肉を加えたり、醤油の代わりにぽん酢や酢醤油を使うと唾液分泌が増えます。

⑤調理は硬軟取り混ぜる
 軟らかいものばかりだと噛まずに飲み込んでしまい、かえって胃に負担をかけます。食材には噛むことをちゃんと意識できる大きさと硬さが必要です。

⑥食事のバランスは3日間で考える
 タンパク:炭水化物:野菜海藻=1:1:2~3が基本ですが、一食では難しくても三日間でこの比率になるよう心がけましょう。同じ種類の食品(生もの・肉・麺類・辛いもの)ばかりにならないように。また野菜海藻は加熱(煮る・炒める・ゆでる)して、かさを低くしてたくさん食べましょう。

⑦朝は王様、昼は庶民、夜は僧侶の食事
 夕食がいちばんご馳走になるのが常ですが、理想は質・量ともに 朝>昼>夜です。夕食後、寝るまでの時間に余裕がない場合は、特に心がけましょう。

⑧睡眠と食事の時間は規則正しく
 体のリズム、消化液分泌のリズム、自律神経のリズムを乱さないことが消化と吸収をよくします。

⑨楽しくリラックスして食べる
 気ぜわしく考えながらの食事では交感神経が緊張して唾液や胃液の分泌が減り、消化力が低下するうえに胃粘膜が荒れやすくなります。ゆったりした気持ちで、あるいは家族と一緒に食べることが消化力をアップさせてくれます。

⑩腹式呼吸と適度な運動
 腹式呼吸で横隔膜を動かすと内臓を刺激し、血行がよくなります。また自律神経も安定するのでリラックスできます。運動も食欲増進とストレス発散に役立ちます。軽いウオーキングやストレッチ、足踏み動作だけでも有効です。

⑪感謝して食べる
 加工品やお総菜を見ているとつい忘れがちになりますが、料理の素材は元々すべてが命あるものです。我々は動物や植物、菌類の命をもらって体内に取り込んで生き長らえています。もらった命に感謝することが食をおろそかにしない基本中の基本です。

■季節のコラム 男は血管 女は筋骨■(2017年4月号より)


「男は血管、女は筋骨」とはどういう意味だか分かりますか?
 この言葉はヒトが寝たきりになるもっとも大きな原因を言い表しています。逆に言うと日本人が高齢期において注意しなければならない最大のポイントが血管であり筋骨なのです。
 高齢者が生活機能を失う…すなわち寝たきりの要介護状態になる原因は男性は圧倒的に「脳卒中」で、4割以上を占めます。対して女性は「「高齢による衰弱・虚弱」「転倒・骨折」「関節疾患」が5割以上を占めます。

 要するに男性では血管の過剰な老化や病変が、女性では筋力低下・骨粗鬆症などの運動器の老化や病変が体の自由を奪い、要介護状態を作るのです。

 このことを東洋医学では以下のように考えます。

 女性の場合は、加齢と共に五臓の中で特に腎と肝が弱りやすくなるため、腎の働きである体力・免疫力・生殖能力・骨形成・ホルモン分泌等に加え、肝の働きである筋肉形成と維持、血流と自律神経の調整能力が低下し、運動器の弱りが進みやすくなるのです。

 したがって女性の老化・寝たきり対策には
 食事…タンパク質やミネラル補給を中心に
 運動…筋肉低下を防ぐストレッチを中心に
 漢方…レオピンロイヤル・婦宝当帰膠・霊鹿参・亀鹿二仙膏
 によって腎と肝を守ることが基本となります。

 一方、男性の場合は加齢と共に五臓の中で特に腎と心が弱りやすくなるため、腎の働き(前述)に加え、心の働きである脳や血管を維持する能力が低下して、循環器と血管の弱りが進みやすくなるのです。

 したがって男性の老化・寝たきり対策には
 食事…炭水化物・脂肪・アルコールのコントロールとタンパク質補給が中心に
 運動…全身の血流を改善する運動が中心
 漢方…レオピン・人参牛黄・牛黄清心元・松寿仙
 によって腎と心を守ることが基本となります。

■季節のコラム 冷えは病気の玄関口■(2017年2月号より)


 ~冷えは誰にでも起こる。
  続けば免疫力が落ち、そこは病気の玄関口~

 体の冷えは体質的な原因とともに、生活習慣やストレスが大きく影響します。したがって冷えは誰にでも起こりますし、冷えが続くと内臓の働きが低下して免疫力が低下したり、動脈硬化や生活習慣病、肥満のリスクが高くなるのが大きな問題です。
 冷えの自覚がない隠れ冷え症の方も多いため、冷え症には客観的な判断方法があります。まず脇の下に手をはさみ、次にその手でお腹、お尻、太もも、二の腕の下側を触ります。内臓温度に近い脇の下と比べて1ヶ所でも冷たい箇所があれば冷え症です。

《冷え症に効く生活改善》

 冷え症にならないよう体内で熱を作るには食事や筋肉量が重要です。
 また、その熱を全身に運んで体の末端や表面まで温めるのは血流の役割です。

「食事」
 ・主食・主菜・副菜の定食形式で3食とる
 ・特に朝食は欠かさない
 ・卵・魚・肉・大豆・乳製品等を欠かさない(…タンパク質は筋肉のもとで熱源になる)
 ・雑穀・豆類・海苔・鰹節などでビタミン・ミネラル補給(…糖質・脂質を燃やす)
 ・根菜類・温野菜・温かいメニューを積極的に
 ・冷たい飲み物や夏野菜は控えめに

「運動」
 ・一日20分程度の運動習慣を
 ・筋肉を増やし代謝を高めるストレッチが中心
 ・ウオーキングは早歩き3分、普通歩き3分を交互に
 ・坂道、階段を積極的に歩き太股の筋肉アップ
 ・汗のかき過ぎに注意(…体を冷やすもとに)

「睡眠」
 ・睡眠は夜間にきちんと取り副交感神経優位に(…副交感神経優位になると血行がよくなる)
 ・寝室は15度以下にしないこと

「入浴」
 ・冷えている部分を湯たんぽやカイロで温めてから入浴(…入浴効果アップ+のぼせ防止)
 ・湯温・入浴時間はのぼせず冷えずの最適な組合せを見つける


《漢方薬で冷え症のタイプ別に対策を》

 東洋医学では、冷え症の最大の問題点は全身に栄養を届けて体の温かさを保つ血(けつ;血液や栄養)の不足にあると考えます。
 前述の生活養生を中心にして、さらに血を補うことが冷え症の改善を大きく前進させるのです。
 平素からの血の補給は、男性では循環器や肝臓を丈夫にし、女性では生理不順・更年期障害・骨粗鬆症・リウマチ・膠原病などの予防にもなります。

 血の補給にはレオピン・瓊玉膏・婦宝当帰膠・婦人宝・松寿仙・亀鹿霊仙廣などの補血剤が有効です。
 その上で冷え症のタイプ別に対策を取りましょう。

①疲れやすく胃腸の働きが弱いため気(エネルギー)血(栄養)も不足している気血不足タイプ
  食養生…タンパク質中心にバランスよく栄養を補い、よく噛んで食べる
  漢方薬…帰脾湯・補中益気湯・十全大補湯

②ストレスが多く気血の巡りが悪い血行不良タイプ
  食養生…香辛料やスパイス・香味野菜でストレスを発散し、巡りを良くする
  漢方薬…逍遥散・柴胡桂枝湯

③冷えが強く体が全く温まらない 陽気不足タイプ(陽気の元である腎の弱りもある)
  食養生…体を温める食材や料理を中心にしてお腹を温める
  漢方薬…レオピンロイヤル・霊鹿参・参茸補血丸

■季節のコラム 腸活■(2016年12月号より)


「腸活」という言葉をご存じでしょうか。就活・婚活などと同じ略語で、腸内環境を整えることによって身体全体のコンディションを上げる健康法のことです。
今の時期の腸活はカゼや冷えの予防にもなります。
我々の体には、カゼやインフルエンザなどの病原体を侵入させないためのバリア機能と、侵入した際に撃退する免疫システムが備わっています。
そして司令塔としてその最前線を司り、免疫の約70%を担っているのが腸管(…小腸上皮のパイエル板)です。実は腸は体内最大の免疫器官なのです。
したがって、寒い時期に睡眠不足・過労・ストレス・食生活の偏りがあると腸内環境が悪化し、免疫力が低下しカゼを引きやすくなります。
また腸内環境が悪化すると、腸の動きが停滞し血流が悪くなって副交感神経の働きが低下します。
自律神経が乱れると冷え症が悪化しやすくなり、腸の修復機能も低下します。さらに腸は「脳の働きを高める」 「感情をコントロールする」 「快眠をもたらす」働きもあるとされています。
このように腸内環境と免疫システムと自律神経は互いに密接に影響し合うため、冬を元気に過ごすためには感染症予防・生活改善と併せて腸活がとても大事なのです。

以下の内容に注意しましょう。

・3食きちんと食べるようにしましょう
・食事の際はよく噛んで唾液を混ぜて食べましょう
・食事中の水分摂取は控えめにしましょう
・野菜(できるだけ加熱)や発酵食品を積極的に摂りましょう
・冷たいものや生ものの取り過ぎに注意しましょう
・肉類や油ものの比率が高くなりすぎないようにしましょう
・就寝・起床時は寝たまま足・腰・お腹のストレッチがオススメです
・夜更かしや睡眠不足は避けましょう
・口呼吸にならないように「あいうべ体操」をしましょう
(鼻炎は様々な病気の元となるのでしっかり治しましょう)

■季節のコラム 季節を先取りして健康を守る■(2016年10月号より)


 東洋医学では季節気候の変化を六気といい、変化が人体に障害を与える時には六邪といいます。今夏はまさに暑湿の邪(気温の変化・蒸し暑さ・急な天候不良等)によって多くの方が体調を崩されました。
 夏バテ・食欲不振・口内炎・ヘルペス・めまい・耳鳴り・血圧異常・腰痛・細菌感染症…店頭で多くの報告を受け、特にご高齢の方や持病をお持ちの方には春先から夏前にかけてもっと積極的にアドバイスや注意喚起をすべきだったと反省しています。

 養生のポイントは「聖人は春夏に陽気を養い、秋冬に陰気を養う」という言葉に従うことです。

 春夏の暖かい時期に体を温める力を高めておく(補陽)と、秋冬の寒い時期になっても体は冷えにくくなります。春夏に体を冷やし過ぎると夏バテしやすくなるとともに、秋冬に感冒・鼻炎・気管支炎・膀胱炎・腰痛・関節炎等を起こしやすい体質になってしまうのです。熱中症予防で体内に熱がこもらないようにすることも大事ですが、過度に水分や生冷物を取り過ぎないことはそれ以上に大切です。

 秋冬の寒い時期に体を潤す力を高めておく(補陰)と、春夏の暖かい~暑い時期になってものぼせ・めまい・自律神経失調・血圧異常・夏バテなどを起こしにくくなります。カゼ予防のため体を冷やさないようにするとともに、陰気を補うためにしっかり睡眠を取り、ごま・ぎんなん・松の実・大豆などの種実類や豚肉・鶏肉など高タンパク食を心がけることが大切です。

 普段お服みいただいている漢方補益剤についても
 ①調子のよい(症状のない)時期でもコンスタントに補うとともに
 ②調子を崩した時や調子を崩した経験がある季節の3ヶ月前からは服用量・服用回数を増やす
 ことにより陽気・陰気をしっかり補うことができます。
 体調不良は突然やって来るように見えて、実は春の養生不足が夏に、夏の養生不足が秋に、秋の養生不足が冬に、冬の養生不足が春に現れます。3~6ヶ月後の健康を考えて未然に体調不良を防ぎましょう。

■季節のコラム 正しい水分の取り方(その2)■(2016年8月号より)


1日に水を2リットルは飲まなければならない…と信じていませんか?

成人の場合、体内の水分量は体重の60%程度ですが、このバランスを崩すと、つまり多すぎても少なすぎても健康を損なうことが報告されています。

《水分の基礎知識》
①水分には体温調節・血液粘度を調節・老廃物を排泄・体液成分となる などの役割がある
②汗・呼気・大小便などから体外へ出ていく水分量は1日に約2500ml ⇒ 同量を補給する必要あり
③食事の固形食物や汁ものの水分で約1000ml摂取、代謝により体内で約300mlが生成される
④よって一般的な身体活動時に必要な、液体としての水分量は1日に約1200mlとなる
⑤発汗量・尿量が少ない場合は必要量は減少する(逆に発汗量が多い場合は必要量は増加する)

《必要以上に水分を取り過ぎると》
 水分は無制限に摂ればよいというものではありません。もともと水には熱を奪う特性があり、1日に必要とされる量以上に摂りすぎると体内に溜まり、内臓を冷やしたり、胃腸障害(食欲不振・消化不良・口内炎・急性胃腸炎・下痢など)を起こしたり、心臓(心房細動のリスクが増加)や腎臓に負担をかけたりします。また冷水を摂っている場合、温かいおしっこを出しているということは、体から熱が奪われているということに他なりません。
 日本の気候風土では(雨天時に洗濯物が乾きにくいのと同様に)多湿時には体内の水分は滞りがちになります。そんなときにせっせと水分補給をしていては先に述べたリスクが高まるばかりです。
 東洋医学では、胃を冷やし胃に水が溜まると、咳・痰(ゼンソク)が悪化したり、鼻水鼻づまり(鼻炎)・耳鳴り・めまい(メニエル)・頭痛・むくみなどを起こす原因になると考えますし、夏バテも、胃腸の働きが弱くなり、食物の消化吸収が低下し、身体が栄養不足になるために起こることが多いので要注意です。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言われるように、身体によいものでも摂り過ぎることは摂らないことと同じくらい害になることを忘れないで下さい。

《水をめぐる間違った常識》
「血液ドロドロをサラサラに、血栓を防止する」
  …水には、血液が固まる(血小板やフィブリノーゲンが凝集して血栓が形成される)のを防ぐ働きはありません。たしかに脱水症時の水分補給は血液の凝固リスクを減らせますが、普通の人が必要以上に水分を摂取しても意味はありません。

「便秘がなおる」
  …水で便秘が治ったり、腸内環境が改善されるということはありません。大量の水分で軽い下痢状態を起こして排便できる可能性はありますが、消化と腸内環境の面からは逆に不利になります。

《水分の上手な摂り方》
①一度に多量の水を摂らず、こまめに補給する
 …1日にコップ5~6杯で十分です(おくすり服用時の水やお茶、コーヒーなども含む)
②唾液(血液濃度を調節・口渇を軽減する作用あり)を混ぜながら飲み込む習慣を心がける
③水分は常温~40℃前後で補給する
④冷水はクチュクチュしてからゆっくり飲み込む(口内を冷やして、胃を冷やさない)
⑤食事中の水分は控え、食後しばらくしてから摂る
⑥気温が下がる夕方以降の水分は控えめにする
⑦脱水症状を起こしやすい高齢者・衰弱者は寝る前と起床時にも水分を摂る

「アルコールは水分とは考えません」
 アルコールには利尿・発汗・脱水作用があるため、 摂取により逆に体内の水分が不足してしまいます。
 (水分と一緒に摂れば脱水症状予防になります)

「水分を積極的に摂る必要がある方も」
・腎臓結石・尿路結石などの持病がある方
・尿量増加で効果が期待される薬を服用している方
・脱水症状を起こしやすい乳幼児と高齢者
 (…ただし上記の摂り方がオススメです)


 …今回の「健康コラム」は3年前に書いたものなのですが、今年も厳しい夏だからこそもう一度読んでいただきたいと思い、再録しました。
 熱中症予防に水分摂取が最も大切であることは間違いありません。ただ、間違った水分の取り方にはリスクやマイナス面があることを知っておいていただきたいのです。
 あとは冷房や風通しで湿度を下げて発汗しやすくすることと、自分が水分を取り過ぎているのか不足しているのかを見極めることが大切です。見極めのひとつの方法を紹介しましょう。このような舌(白くぼてっとしている、ひどい場合は舌辺に歯型のような痕がある)のは体内に余分な水分が多いとき(水分の取り過ぎ)です。ご注意下さい。
 写真が判りにくい場合は、店頭写真でご確認下さい。

■季節のコラム 女性特有の病気■(2016年6月号より)


 今回は女性特有の体質について考えてみます。
 生理痛や更年期障害はもちろんですが、男性と比べて圧倒的に女性に多いのが関節リウマチ・骨粗鬆症・貧血・偏頭痛・関節炎・甲状腺疾患・腎臓病・うつ病などの病気です。これらの病気が女性に多い理由は詳しくは判っていませんが、今回は東洋医学の考え方からその理由を探ってみましょう。

 漢方では、体にはり巡らされた経絡(けいらく)という循環路を気(き;活動のエネルギー)・血(けつ;全身の栄養になる滋養物質)・津液(しんえき;体液)がよどみなく流れることにより、また腎に蓄えられている精(せい;生命活動を支える基本物質)が充実していることにより、全身組織や五臓六腑は正常に働き、健康を維持できると考えています。なかでも…

 血は血液であるとともに以下の働きを担っています。
 ①全身組織や筋肉に栄養と潤いを与える
 ②ホルモン分泌を調節する
 ③精神・情緒を安定させる

 また精(腎精;じんせい)には以下のような働きがあります。
 ①成長・発育・生殖機能を促進する(ホルモンの働き)
 ②生命力・免疫力・抵抗力の元となる
 ③腎・骨・関節・脳の機能を維持する

 血と精はいずれも飲食物の栄養分から造られるのですが、血が不足すると精が血に転化し、精が不足すると血が精に転化して互いを補充し合う関係にあります(精血同源)。このような関係にあるのは血と精の充足が生命維持に重要な役割を担っているとともに、実際に不足を生じやすいからです。

 東洋医学では女性の体質は7年毎に節目を迎えると考え、これは現代医学の女性ホルモンによる月経・妊娠・更年期のサイクルとほぼ一致しています。
 女性のこういったサイクルや病気を考えるときに考慮すべき最大のポイントは、月経により人生の一定期間で血の不足を起こしやすいということです。
 不足した血は通常、飲食物から補充するのですが、体質・食事・生活に偏りがあると十分な補充ができず、腎精を血に転化させて補充するため、結果的に腎精の不足も引き起こしてしまいます。
 そのため…

 血の不足により(前述の血の働きに呼応して)
 ①貧血・生理不順・偏頭痛・冷え・乾燥肌・ドライアイ
 ②甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病)・のぼせ・動悸
 ③うつ・不眠・不安・パニック障害

 精の不足により(前述の精の働きに呼応して)
 ①不妊症・更年期障害
 ②リウマチ・膠原病・アレルギー疾患・ガン
 ③骨粗鬆症・関節炎・腎臓病・健忘症・認知症

 などの病気を発症しやすくなるのです。

 極端な例ですがハードな練習をする女性アスリートに起こる無月経や骨粗鬆症も同様の理由です。
 またリウマチなどは患者の80%以上が女性ですが、これも男性に比べ血や精の消耗が激しく、その不足が体力・抵抗力の低下と免疫異常をきたして発症するものと考えられます。もちろん、これらの疾患は血や精の不足が起これば男性でも発症します。

 したがって、これらの病気を予防したり、治癒に向かわせるためには、以下の養生が必須です。

*血と精を消耗してしまう行動に注意すること
 …過労・睡眠不足・夜勤・心労・ストレス・大量発汗・手術・出血など
*血と精を造り出す食事をおろそかにしないこと
 …タンパク質は毎食欠かさず摂取する
*血を貯蔵する「肝」、精を貯蔵する「腎」、血や精を造り出す「脾胃」の働きを補う漢方薬を服用する
 …レオピンロイヤル・エナックW・瓊玉膏・婦宝当帰膠・婦人宝・霊鹿参・亀鹿霊仙膏など
■季節のコラム サプリメント選択の基準■(2016年4月号より)


 健康維持のためのサプリメントとして水素水・酵素・ゴマ成分・乳酸菌・葉酸・コラーゲン・マルチビタミン・青汁など様々なものが流行りましたが、それらの製品を選んだ理由を伺ってみたところ 「宣伝を見て」 「なんとなく」 「何が良いかわからないので有名なものを選んだ」という方がほとんどでした。
 サプリメントは手軽に飲めること、成分がシンプルで目的が明確であることが長所で、逆に効果がわかりにくいこと、種類や錠数が増えると添加物の量も増えて肝臓の負担になる可能性があるところが短所といえます。

 我々薬剤師はサプリメント(自然藥や滋養強壮剤を含む)を以下の基準で選びます。
 ①相談者の体質・生活習慣・食事内容を考慮する
 ②相談者の不調や症状の改善に何が必要か考える
 ③病院の薬との併用可否をチェックする
 ④できれば一製品で多機能なものを選ぶ

 人は皆、体質も生活リズムも食事内容も異なるので健康を守るのに必要な成分も個人個人で違います。
 例えば抗酸化サプリメント(ゴマ成分・ポリフェノール等)はハードに運動する方や喫煙する方には推奨しますが、誰もが抗酸化成分を摂取して活性酸素を除去してしまうのは問題があります。体内に存在する活性酸素は細菌・ウイルス・ガン細胞・毒物等の異物除去という重要な役目があり、体内では一定量の存在が不可欠だからです。

 さらに、有用なサプリメント製品の機能については以下の点を重視すべきだと考えます。
 ・内臓機能の補助ができるか
 ・血液の質の改善ができるか
 ・血管老化(動脈硬化)を防げるか
 ・腸内環境を整えられるか
 ・骨・筋肉量の維持ができるか
 ・自律神経の安定ができるか
 ・ストレスから体を守れるか
 ・免疫力の向上に役立つか

 基準①~④に則り、必要な機能を併せ持つ製品をご紹介致しますので、詳しくは店頭でご相談下さい。

■季節のコラム 体とこころ■(2015年12月号より)


 西洋医学ではこころの病は脳や神経系の問題で、内臓病変等の肉体疾患とは別物と考えて対処します。 具体的には うつ・不安・不眠・イライラ・緊張・情緒不安定・焦り・悩み・怒り・興奮・動悸・パニック・妄想・思考障害・気力低下・神経症・物忘れ・痴呆 等の症状は、抗うつ薬・抗不安薬・抗精神病薬・睡眠薬など脳や神経伝達物質に作用する薬を用いて治療します。

 一方、東洋医学ではこころと体は繋がっている…精神的な症状は肝・心・脾・肺・腎の五つの臓器と関係があると考えます。五臓とは肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓の内臓機能だけを指すのではなく、より広範囲な生命活動機能を含んだ漢方独特の概念です。

たとえば肝は西洋医学では栄養代謝や解毒を行う臓器ですが、漢方では気血の流れや内臓の働きをスムーズにし、血を蓄え、筋肉や目の機能を助ける臓器と考えます。さらに理性・判断・実行力を保ち、気分をのびやかにする働きがあるので、肝が弱いとゆううつ・意欲低下・決断できない・迷いが、過剰に働き過ぎると完全主義やイライラが出るようになります。

同様に心は西洋医学では血液を全身に送り出すポンプですが、漢方では血を全身に巡らせ、全身の組織や器官に栄養を与え、舌や血管の機能を維持する臓器と考えます。さらに五臓全体の精神活動(感情・思考・意識・判断)を統括する働きがあるので、心が弱いと不安・迷い・消極的・臆病・夢が多い・不眠が、過剰に働きすぎると興奮・躁状態・発作的行動が出るようになります。

脾は西洋医学では血液の新陳代謝や免疫に関わる臓器(脾臓)ですが、漢方では飲食物を消化吸収してエネルギーを生み出し、口や手足を丈夫にし、出血や内臓下垂を防ぐ臓器(脾胃)と考えます。さらに思考力・好奇心を養い、精神の安定中立を保ち、五臓の調和を計る働きがあるので、脾が弱いと悩み・迷い・主体性や一貫性がなくなる・意欲低下が、過剰に働きすぎると移り気・落ち着きがない・せっかちになります。

肺は西洋医学では呼吸によりガス交換を行う臓器ですが、漢方では呼吸で得た気と脾で生成したエネルギーを全身に供給し、水分代謝を調節し、皮膚や鼻の機能を維持し、身体を防衛する臓器と考えます。さらに気遣い・五感(聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚)や運動能力を保つ働きがあるので、肺が弱いと感受性低下・運動能力や反射神経低下・注意力散漫に、過剰に働きすぎると落ち着きがない・心配性になります。

腎は西洋医学では老廃物から尿を作る臓器ですが、漢方ではホルモンの働きをし、脳髄・骨髄・骨格・関節・内臓・生殖器・毛髪の成長・発育・老化に関わり、水分代謝と排尿機能を維持し、足腰や全身の運動力・活動力を高め、耳の機能を助ける臓器と考えます。さらに信念や意志を保ち、根気や根性など精神の強靱さをつくるので、腎が弱いと根気や忍耐力がない・警戒心や恐怖心・決断力低下が表れます。

また感情では肝は怒りと、心は喜びと、脾は思慮と、肺は悲憂と、腎は驚恐と関係が深いと考えています。 さらに精神活動の栄養源である血(けつ)の生成には脾・肺・腎が、感情のコントロールには肝が、脳の機能維持には肝・心・腎が深く関わります。
このように、こころ(精神・感情・意識・思考)は五臓すべてに存在しており、五臓が不調になるとこころの病気を引き起こすのです。

漢方ではこころを抑え込むことなく、精神的な症状と身体的な症状からどの臓器が弱っているかを見極め、その臓器を正常にすることで精神症状を改善させていきます。同時にこころと体を繋ぐ自律神経の働きを改善することと、こころの不快症状自体を和らげることも大切です。

*漢方薬の継続服用が最大の養生法です
*血(精神活動の栄養源)を生み出す食事は大切です
*生活リズムを整えると自律神経が安定します
*毎日の運動で血流・新陳代謝・精神代謝が改善します

■季節のコラム 「上薬・中薬・下薬」■(2015年10月号より)


 めまい・耳鳴・動悸・不眠でレオピンロイヤルと漢方処方薬を服用していただいた70代の女性の実話です。
 訴えの症状が消失してからはレオピンのみを継続、ここ2年はしょっちゅう引いていたカゼも引かなくなったと喜んでおられたのですが、実妹が亡くなったショックで前回来店時には、もう長生きしたくない、誰にも迷惑をかけたくない、だから「レオピンを飲まない方がいいでしょうか?」という質問を受けました。
 私は少し考えて次のようにお答えしました。

「寝たきりになったらご自分もご家族も大変でしょう? レオピンを服んでいると内臓を守れるし血管の老化も予防できるから、家族に迷惑をかける心配が減りますよ。それに普段元気だと入院や介護なしでおだやかに旅立てるかもしれません。あちこち故障のまま生きて介護されるよりも、レオピン服んで元気にピンピン生きてコロリと逝きませんか」

 平均寿命に含まれる介護期間(平均で約11年)を短縮して健康寿命を伸ばすには、以下の3点が大切です。
 

 ①新陳代謝に必要なタンパク質中心の食事
 ②運動機能を維持するための筋肉運動
 ③五臓の働きを常に上薬で補い労る (特に補腎)

 生薬や漢方薬は主に3つに分類できます。
 

 上薬…無毒でいくら長く用いても副作用がなく、元気を増し、生命を養うことができるもの
 中薬…体力を補い、病を防ぎ、治療に役立つが、用い方によっては有害になるもの
 下薬…症状に対してよく効くが、毒性を有し長く続けるとよくないもの
 

 先の女性は五臓(特に肝・腎)の不調が原因で、結果として各部(目・耳・心臓・神経)に症状が出ていたため、原因療法にレオピンロイヤル(上薬)、症状改善に漢方処方薬(中薬)を服用していただき、症状が改善してからは体質維持・再発防止・健康寿命の延伸を目標に上薬のみ服用を続けていただいておりました。
 だからこそ、前述のような回答になったのです。

 店頭でのご相談の際には、漢方薬の種類と服用の意味、そして養生法についてできるだけわかりやすくお話をさせていただきたいと考えています。

■季節のコラム 「耳鳴・難聴について」■(2015年8月号より)


 多くの方が困っているにもかかわらず、現代医学では原因が判らず、根本治療法がないのが耳鳴り・難聴です。検査をしても異常がないのに一向に治らずキーン・ジージー・ザーザーなど不快な音が気になったり耳が塞がったようになることから、やはり脳に問題があるのではと不安が増幅して不眠やうつにまで発展し、安定剤や抗うつ剤が処方されることもしばしばです。  漢方薬局の店頭では主に40代以降、年齢が高くなるにつれて相談割合が増えていく傾向がありますが、20代30代の方からのご相談もあります。
 
《漢方での耳鳴り・難聴の考え方》
 漢方では耳鳴りと難聴は密接な関係があり、耳鳴りは難聴の軽症、難聴は耳鳴りの重症と考えます。  一般に耳鳴り・難聴というと耳の病気と考えがちですが、耳は音を捉える感覚器であって、実際に音を認識するのは神経系中枢である脳なので、実際には耳と脳の両方の働きに関係してきます。  
 

   ①腎の弱り(腎陰虚・腎陽虚・心腎不交)
 
 東洋医学では耳は腎の出先機関で、腎のエネルギーが耳の機能を維持していると考えます(腎は耳をつかさどる・腎気は耳に通ず)。また脳の音声認識機能についても、腎のエネルギーが脳の機能を維持していると考えます(腎は脳髄をつかさどる・腎は脳に通ず)。
 腎は成長・発育・生殖に関わったり、脳の働きを充実させたり、生命活動の原動力となる重要な臓器ですが、加齢や体力低下、病気などで腎が弱ると耳や脳にエネルギーを送ることができなくなり、耳鳴り・難聴を起こします。
 腎の弱りは40代以上での発症の最大の原因といえるでしょう。ちなみに腎の衰えは男40才・女35才から始まり、腎精は男64才・女49才で尽きるとされています。これらの年齢が発症の分かれ目といえるのかもしれません。
 耳の症状の他、足腰のだるさや弱り・手足の冷えやほてり・不眠・動悸なども現れます。

    ②肝の弱り(肝血虚・肝気鬱結)
 
 肝は栄養分の血(けつ)を貯蔵しており、耳などの全身各器官に栄養を与えています。精神活動が安定していれば、血は全身に循環して耳にも栄養が届きますが、過労や栄養不足、ストレスで肝が弱ると耳に栄養が届かず、耳鳴り・難聴が起こります。また肝に弱りがあると腎も弱ってきます(精血同源・肝腎同源)。
 肝の弱りは比較的若い世代で多い発症原因です。
 耳の症状の他、目の不調・頭痛・筋肉の凝りや痛みなども現れます。
(肝は血を蔵す・肝は筋肉をつかさどる・肝は目に開竅す)

  ③脾の弱り(脾気虚・清陽不昇)
 
 脾は飲食物を消化して生成した栄養物質を全身に運ぶ(脾は運化と昇清をつかさどる)ので、耳にもエネルギーを供給しますが、疲労や胃腸虚弱で脾が弱ると耳に栄養が届かなくなり、耳鳴り・難聴が起こります。
 脾の弱りは年代に関係なく見られる発症原因です。
 耳の症状の他、全身倦怠、食欲不振、軟便下痢なども現れます。

  ④耳竅の閉塞
 
 耳鳴り・難聴が続くと耳竅(じきょう…耳と腎を通行させる通路)が目詰まりを起こして気血(栄養)が耳に届かなくなり、耳鳴り・難聴が長期化するとともに①~③を改善する漢方薬の効きめも悪くなってしまいます。


   このように耳鳴り・難聴では、耳(症状が現れる場所)よりも全身(原因となる場所)の症状を重視します。
 

 実際の選薬では病理タイプを見極めたうえで…

 ①腎の弱り ⇒補腎薬
 ②肝の弱り ⇒補血薬、疏肝薬 から基本薬を選択し
 ③脾の弱り ⇒補脾薬     (複合パターンあり)

 そこに ④耳竅の閉塞 ⇒開竅薬 を併用するのが症状改善のコツとなります。
 詳しくは店頭でお尋ね下さい。
■季節のコラム 夏の養生法■(2015年6月号より)


 東洋医学では、梅雨から夏にかけての高温多湿期には脾胃(ひい:胃腸)が、また本格的な夏には心(しん:心臓・血管)が弱りやすくなると考えます。夏バテや熱中症を含む、これからの時季の体調不良の多くは脾胃と心の弱りが原因になります。
 脾胃には飲食物を栄養や血液に変える働きがあるので、脾胃が弱ると食欲不振・胃もたれ・味覚異常・疲労倦怠・めまい・出血傾向・皮膚の炎症・便秘・下痢・むくみ・夏バテ・不眠などが起こりやすくなります。

 脾胃は湿気や冷えに弱い臓器です。食養生を中心に、以下のことに気を付けましょう。

 *適度な運動で発汗して体内の湿度調節を
 *発汗後の水分補給は常温でこまめに
 *生もの・冷たい料理・冷たい飲物はほどほどに
 *食事はよく噛んで唾液を混ぜる(早食いしない)
 *胃液を薄める食事中の水分摂取を控える
 *酢・酢醤油・梅干し・レモンなどの酸味を加える
 *辛いものや脂っこいものを取り過ぎない
 *脾胃を補い、食欲を促す食材
  …大豆製品 卵 鶏肉 山芋 いんげん豆
     カボチャ うなぎ シソ みょうが
 *体内の余分な湿を取り除く食材
  …ハトムギ 緑豆 小豆 キュウリ もやし

 心には血液循環と精神活動をコントロールする働きがあるので、心が弱ると動悸・息切れ・脱力感・健忘・不整脈・血管障害・不安・不眠・めまい・多汗・夏バテなどの症状が起こりやすくなります。心は暑さに弱い臓器です。以下のことに気を付けましょう。

 *過度・大量の発汗には要注意(汗は心液)
 *睡眠をしっかり(理想は午後10時から午前6時の間)
 *交互の温浴・冷浴で自律神経を鍛える
 *心を補う食材
  …小麦 山芋 豆腐 湯葉 モモ リンゴ
 *不眠によい食材 …ユリ根 ハスの実 牡蠣

■季節のコラム 認知症予防~脳を若く保つために■(2015年4月号より)



 現在、日本の認知症患者は462万人(軽度認知障害を含めると800万人)とされています。患者数の増加に伴い、行方不明、詐欺事件、道路逆走、介護疲弊などの社会問題も噴出してきており、2025年には患者数が700万人を超えるとの推計もあります。  日本人に最も多いタイプであるアルツハイマー型認知症は近年、以下のような発症の流れが判ってきました。それによると…
 
 ①発症の約25年前からアミロイドβが脳内に蓄積し、神経細胞の伝達を遮断する
 ②発症の約15年前からタウが神経細胞内で凝集し、神経細胞を死滅していく
 ③記憶中枢である海馬の萎縮が始まり、認知症を発症する


 現代医学では③に至れば治療法はありません。
認知症に処方される薬も根本治療にはならず、あくまでも機能改善・症状安定が目的ですし、その効きめにも個人差があります。

   現時点で断言できることは、アルツハイマー型認知症は脳内のアミロイド沈着が根本的な原因であること。そして、その蓄積を抑制できれば予防はできるということです。  認知症の発症まで25年程度かかるので、予防にあたってはできるだけ早い時期(40~50代)から実行することが重要です。  予防の基本は“脳細胞や神経細胞、血管、血液のよい状態を維持して、脳を若く保つ”ために日常生活に気を付けることです。
 
 ・バランスの良い食事を心がける(新しい細胞、血液を造る原材料となる)
 ・朝食を摂る、よく噛んで食べる(脳への刺激となる)
 ・運動の習慣(脳血流を改善すると海馬萎縮の防止になる)
 ・質の良い睡眠(睡眠中にアミロイドβを排泄する)
 ・読む、書く、計算、会話を心がける(五感を働かせることが重要)
 ・読んだり見たりしたことを書いたり説明する(記憶を定着させる訓練になる)
 ・高血圧、糖尿病にならない~コントロールする(生活習慣病があると認知症になりやすい)


 一方、東洋医学では物忘れや認知症は、以下の三つの臓器と関係が深いと考えます。

 ①脾(胃腸)…気・血を生成し、精神活動の土台になる
        思慮や意志、感覚器官の働きを強くする
 ②腎    …感覚・思惟・記憶などの脳活動を生み出す
 ③心    …血液循環と精神・意識・思惟活動をコントロールする

 予防の段階では、特に脾(胃腸)を丈夫にしておくことが大切です。食べたものからしっかり気血ができれば気力が出て元気になる、他の臓腑が丈夫になる、気の滞りや血の不足がなくなるからです。
 また認知症は大病・慢性病・精神病の後に現れやすいと考え、普段の体調や持病の管理やストレス対策を重視する点は現代医学と似ています。

 認知症については以下の分類もあります。

 文痴(ぶんち) …無表情、反応鈍い、運動障害(不活動タイプ)
 武痴(ぶち)  …興奮、徘徊する、怒鳴る、物を壊す(活動タイプ)

 それぞれのタイプに応じて店頭では以下のような漢方製剤をオススメしています。

  脾  …帰脾湯 補中益気湯 六君子湯
  腎  …レオピンロイヤル 瓊玉膏 杞菊地黄丸
  心  …エナックW 牛黄清心元 血府逐湯
  文痴 …エナックW 帰脾湯 補中益気湯
  武痴 …牛黄清心元 温胆湯 抑肝散 加味逍遥散

 漢方補益剤であるレオピンシリーズには疲労回復作用の他、動脈硬化予防・血流改善・内臓保護・神経細胞保護・抗ストレスの働きが、さらにレオピンロイヤルには補腎益精・補心・抗老化の働きが加わりますので、健康を維持する保健薬としても、認知症予防の基礎薬としてもオススメです。

 認知症の予防について詳しく知りたい方は資料をお渡しできますので、店頭でお尋ね下さい。

■季節のコラム 健康の三本柱■(2015年2月号より)


 通販や健康情報番組の影響でサプリメントを服用する人が増えていますが、長続きしなかったり、なんとなく飲んでいるという人がとても多く、店頭でも「いろいろありすぎてどれを飲んでいいのか分からない」 「何が一番いいですか」 という質問を受けることがあります。そんなとき店頭では「人によって様々ですので、以下の3方面からご自分の生活を見直してみて下さい」とお話ししています。

《入れていますか(食生活)》
 人間の体は生きているかぎり新陳代謝をしています。胃粘膜は3日で、血液は4ヶ月で、筋肉は6ヶ月で、内臓や脳の細胞は1年で、骨は2年ですべて入れ替わっており、新陳代謝するからこそ病気やケガが治り、体質も変わるのだともいえます。  体の入れ替わりの材料(タンパク・糖質・脂質・ミネラル等)はすべて食べ物から供給されますので、食事に問題があれば、細胞も血液も血管もホルモンも刷新することができず、健康に大きな影響が出てきます。  1日何回、何時頃に食べるのか? どのようなものを食べているか? どのような食べ方をしているか? …これらをチェックすることにより、新陳代謝と健康維持に必要な栄養の過不足が判ります。  大まかな問題点は口頭チェックでも判りますが、一週間分の食事記録表に記入していただくと、過不足だけでなく生活の問題点も浮かび上がってきます。

  《巡っていますか (内臓・血液・自律神経)》
 体内には内臓があり、内臓から全身に血管やリンパが張り巡らされています。内臓は車でいえばエンジンで、人間には働きの違う五つのエンジン(五臓)が生命を維持するために働いています。そして内臓の働きを全身に及ぼしたり、栄養や酸素やホルモンを隅々まで運搬するために、運搬車(血液)が道路(血管)を常に巡っています。これら内臓の働きや血液の循環は管理システム(自律神経)によってコントロールされています。
 すなわち内臓・血液・自律神経が調和し、活動し、循環していることが健康の基本なのです。そのため、体質の偏りや生活リズムに問題があると体に不調や症状が現れるようになります。
 日頃の症状や生活状況をお聞きすることにより、適切な漢方薬やサプリメントを選ぶことができます。
 また漢方問診票に記入していただくことで、さらに詳細な養生法をアドバイスすることができます。

《出していますか (排泄)》
 腸は体の末梢神経や毛細血管の半分以上が集まる場所であり、ヒト最大の免疫器官・ホルモン産生器官でもあります。免疫やホルモンに関わる重要な臓器であるため、腸内環境の良し悪しと便通が健康に大きく影響します。
 大便はほとんどが食べ物のカスだと思われているようですが、実際は固形成分の2割もあればいいほうで、残り8割は古くなって腸壁からはがれ落ちた細胞・体内の老廃物質・腸内細菌などです。したがって何も食べなくても排便は毎日あるべきで、それができていないと老廃物質や解毒した異物は体外に排出できず、内臓や血液中に毒素が溜まっていくことになります。
 便通の状況とともに、食事の内容や水分の摂り方などを確認することにより、必要な場合には腸内環境や便通を整える漢方薬やサプリメントを選べます。先に紹介した一週間分の食事記録表はここでも問題点の把握に役立ちます。
 このように、まずライフスタイル(生活や食事)と体質からどこに問題があるのかを見極めることが大切です。問題が明らかになれば、体質の偏りや弱りを是正する漢方薬や栄養の不足を補うサプリメントは何か、またどのような生活養生が必要かが明確になるのです。漢方問診票や食事記録表は店頭に置いてありますので、いつでもお申し付け下さい。

■季節のコラム 日本人に多い鼻の病気■(2014年12月号より)


 店頭で問診していると「鼻の悪い人が多いな」「鼻が悪いと気づいていない人が多いな」とよく感じます。例えば、いわゆる鼻たれ小僧がいた時代と比べるとちくのう症(慢性副鼻腔炎)などは減っていそうなものですが、初期症状も含めると今でも年間一千万人以上が発症していますし、鼻炎や後鼻漏を合わせると鼻の病気は昔よりも明らかに増えています。
 ちくのう症に関していえば昔は黄色い鼻汁のタイプが多かったのですが、今は必ずしも黄色い鼻水が出ないうえに治りにくい好酸球性副鼻腔炎が増加してきています。このタイプは嗅覚障害やゼンソクを起こすことが多いので、たかが鼻炎とあなどらないことが大切です。

《日本(人)に鼻の病気が多い理由》
 気候風土 …漢方では、鼻は肺や胃腸と関係が深く(実際に粘膜が繋がっている)鼻の病気を治す場合は特に胃腸をいたわることを重視します。そして胃腸は湿気によって機能が低下しやすい臓器であるため、多湿の日本では胃腸の不調が多く、さらに関係の深い鼻・肺も弱りやすいのです。鼻と肺・胃腸に関連があることは、入浴などで胸や腹が温まると鼻の調子がよくなることでも実感できます。
 現代の食習慣 …湿気に弱い胃腸をさらに弱めているのが現代の日本人の健康常識・飲食習慣です。
 漢方では際限のない水分摂取は胃腸を弱める(冷やす)とともに、水が体に必要な津液(しんえき)に変化せず、痰飲(たんいん)という病気の原因物質になると考えます。痰飲は咳・痰・鼻水・頭痛・めまい・むくみの原因にもなります。現代医学から見ても心臓病や腎臓病の人は水分摂取量に注意する必要がありますし、水分を尿として排泄する時には腎臓・膀胱が働かねばならず、そのうえ体の熱を奪って出ていくのですから、やはり水分の取り方には注意が必要です。
   また、生野菜やサラダ・果物・ヨーグルトなど、栄養素以外に冷えと水分をもたらすものを大量に摂るのがヘルシーだという意識にも問題があります。  さらに「しっかり噛まない」「唾液を出さない」食べ方が致命的です。
 日本の気候風土においては、このような飲食習慣が胃腸を弱め、肺を弱め、鼻を弱めています。

《鼻の役割とは》
 鼻は体に酸素を取り入れる呼吸器であり、臭いを感じる感覚器です。これに対して口は物を食べる消化器ですが、進化により言葉を話すようになった人間は口でも呼吸ができます。
 鼻から取り入れた空気は副鼻腔(鼻の奥、ほお骨の下にある空洞)で塵を除去、加温加湿されたうえで肺に送られます。口呼吸ではこういった行程が飛ばされることになります。また鼻呼吸は口呼吸に比べて空気吸入量が増えるので肺に取り込まれる酸素量も多くなり、深くて質のよい呼吸ができます。逆に鼻づまりなどで日常的に口呼吸が続くと、のどや肺で炎症が起こりやすくなったり、酸素不足により体に様々な悪影響が出てきます。

《鼻に関連して起こる(悪化する)症状》
 慢性鼻炎・花粉症・アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎など鼻の病気があると様々な症状が引き起こされます。

  鼻づまり  ⇒ 口呼吸・集中力低下・嗅覚味覚障害
  目・耳   ⇒ 目の奥の痛み 眩暈 耳閉感 耳鳴り 中耳炎
  鼻汁・細菌 ⇒ 後鼻漏 咳 気管支炎 喘息 胃腸障害 誤嚥性肺炎 慢性閉塞性肺疾患 腎臓病 リウマチ
  口呼吸   ⇒ 口臭 口内炎 歯周病 ドライマウス のど痛 いびき 睡眠時無呼吸症候群
  酸素不足  ⇒ 頭痛 肩こり うつ 不眠 倦怠 パニック障害

 生命維持に不可欠である酸素は、鼻呼吸でこそ供給できるものです。口呼吸では全身に酸素不足が生じ、あらゆる病気の原因となる可能性があります。

《あいうべ体操が教えてくれること》
 最近、小学校で実践したらインフルエンザに罹る児童が激減したという体操があります。
 体操といっても動かすのは口と舌で、口を大きく開けて「あ~い~う~べ~」と動かすというもので、1回5秒程で1日30回(約3分)を目安に続けます。
 これでなぜインフルエンザに罹らなくなったかというと、口周囲の筋肉が鍛えられて口が閉じ、鼻呼吸になるからです(唾液が出やすくなるという効果もあります)。インフルエンザ以外にも、先ほど挙げた病気のほとんどに効果があります。あいうべ体操は、まさに鼻呼吸の大切さ…口呼吸から鼻呼吸に変えることで病気の予防ができることを示してくれているのです。


《養生法の基本》
 あいうべ体操に効果があるということは、現代人(特に子供)にいかに口呼吸が多いかということです。
 ただ、体操で鼻呼吸ができるようになっても、鼻粘膜の状態がよくないと継続することができません。鼻-肺-胃腸をいたわる養生法で、根本から鼻粘膜をよい状態に保ちましょう。

 水分の取り方 … 食事中は控える 唾液を混ぜて飲む 冷飲を控える
             必要量を一口ずつ飲む
 食事の取り方 … 生冷食品は少なめに よく噛む 飲み込むまで次の食べ物を
             口に入れないう酢の物で唾液を出す 具材は大きく硬いもの
 呼吸その他  … 背筋を伸ばして深呼吸 適度な運動
 鼻-肺-胃腸  … 食べ物と漢方薬で脾・肺・腎を補う
             漢方薬で鼻の炎症・鼻づまりを治し、粘膜を強くする

《鼻の病気?チェック》
 コラム冒頭で 「鼻が悪いと気づいていない人が多い」 と書きました。口呼吸が普通になっているとそれが当たり前になってしまうため自覚症状がないんですね。
 いちど以下の項目をチェックしてみて下さい。

 □ カゼの後、鼻汁・鼻づまり・のど痛・せきが残る
 □ 温度差でくしゃみや鼻づまりが起こる
 □ 鼻を片方ずつ押さえ呼吸すると一方が詰まる
 □ 鼻水がのどに流れる
 □ 鼻声・声がれになる
 □ のどに痰がからむ
 □ 時々鼻をすする
 □ アレルギーがある
 □ よく咳払いをする

 ふたつ以上あてはまる人は鼻炎や後鼻漏の可能性があります。
 鼻が悪いと気づいていない人でも、漢方薬の服用で鼻呼吸ができるようになると 「鼻が詰まっていたんだ!」 「こんなにすがすがしいとは!」 と感動されます。詳しくは店頭でお尋ね下さい。
■季節のコラム 正気と邪実■(2014年10月号より)


 これから感染症が増加する季節ですが、近年は幼児から高齢者にいたる幅広い年齢層で様々な感染症が流行していますね。カゼやインフルエンザはもちろんのことノロウイルス、O157、RSウイルス、結核、風疹、麻疹…最近ではデング熱なども話題になりました。

 その感染症を東洋医学ではどのように考えているのでしょうか? 漢方理論は現代のように検査や診断機器のない時代に構築されたものなので、病気と治療に対する考え方はいたってシンプルです。

①体内に邪魔なものが侵入する(邪実)と病気を起こす。これは除いて治す。
②人体に必要なもの(正気…気・血・津液・精)が不足する(正虚)と病気を起こす。これは補って治す。

 これを現代医学に当てはめると…

①邪実はまさに病原菌の感染による病気
②正虚は体力・抵抗力の不足による病気 を指します。

 さらに邪実(感染症)と正気(免疫力)の関係について

「正気 内に存すれば 邪 侵すべからず」
「邪の集まるところ 気 必ず虚す」という言葉があり

『体に体力免疫力があれば病原菌は侵入しない(侵入しても退治できる)』
『感染症にかかると体力免疫力は必ず損なわれる』ということを示しています。

 同じ感染症にかかっても軽症ですむ人と重症化してしまう人がいるのは、まさに正気(すなわち体力・体質・抵抗力・免疫力・自然治癒力)が充実しているかどうかの差だといえるでしょう。
 特に高齢者の場合、普段持病がなく、見た目は元気でも、老化により外敵に対する免疫力は幼児と変わらないレベルまで低下しているため、いったん感染症にかかると重症化する傾向にあります。
 そのため老人の感染症(誤嚥性肺炎やMRSAなど)は「内因性感染症」とも呼ばれるのです。

 邪実から身を守る(感染症感染を予防し、重症化を低減する)には正気(特に腎精)の充実が第一です。

*腎精を充実させる漢方補益剤の補給
*正しい呼吸+正しい食事+適度な運動

 を心がけましょう。   詳しくは店頭でお尋ね下さい。
■季節のコラム 酸素不足と健康■(2014年8月号より)


 四季のある日本ですが、近年は豪雨や竜巻など気候の変動幅が大きくなり、我々の生活や体調に及ぼす影響も大きくなっています。近年では日射病も室内でも起こることから熱中症と総称されるようになり、発生する時期も6~9月と長期化しています。
 そこで今回は少し違った視点から日本の夏の過ごし方を考えてみます。キーワードは「酸素」です。

 我々が普段生活していて最も意識することなく、実は生命維持に最も大切なのが酸素です。酸素がないと死んでしまうことは知っていても、不足するとどうなるか判っている人は少ないかもしれません。
 体に取り入れる酸素が不足すると、まず体にだるさ・凝り・痛みを感じるようになり、続いてめまい・ふらつき・胸苦しさ・動悸・意識消失などが起こります。さらに慢性的な酸素不足は慢性疲労や様々な疾患・脳活動低下の原因となります。このように人間にとって酸素不足は体調不良の大きな原因となります。


《酸素不足が起こる原因は?》

①気象変動
 大気中の酸素濃度は常に変動しており、温度が高い・湿度が高い・気圧が低い・高度が高い・緯度が低いと酸素濃度は低下し、逆に温度が低い・湿度が低い・気圧が高い・高度が低い・緯度が高いと酸素濃度は上昇します。高温多湿の日本では梅雨~夏にかけて酸素濃度が低下する時期が続きます。そこに台風や低気圧、雨が発生すると、さらに酸素濃度が低下するため、前述のような体調不良(夏バテ)症状が起こりやすくなります。

②換気不足
 密閉性の高い現代の建築物では在宅時間とともに室内の酸素濃度は低下、逆に二酸化炭素と湿度は上昇していきます。

③呼吸の大きさ
 起床時・午前中に血行がよくない・体が冷えている・座りっぱなし・筋肉運動をしない・頭脳労働やストレスで交感神経が緊張している・猫背になっている・口呼吸になっている…などの状態では呼吸自体が小さくなり、体内への酸素の取込量が低下します。


《酸素不足から来る体調不良を防ぐために》

*帰宅時や朝にはまず換気をしましょう
(換気扇や扇風機を使って「風の道」を作りましょう)
 
*室内はエアコンで温度(28℃前後)湿度(50%前後)を下げ、酸素濃度を上げましょう
(エアコンが苦手な場合は扇風機の風を壁に当てたり、室内で空気を循環させるようにしましょう)

*深呼吸を常に心がけましょう
(まず口からゆっくりしっかり息を吐き、次に鼻からゆっくり空気を吸ってお腹を膨らませます。一呼吸止めてからまた息を吐くようにします)
 起床時、座りっぱなしの時、パソコンに向かう時、考え事をしている時、イライラや不安がある時、体格的に胸郭が狭い方は呼吸が小さくなっているので特に意識しましょう

*猫背にならないよう胸を張って呼吸しましょう

*喋る・歌う・笑うと呼吸も大きくなります

*鼻呼吸(特に吸うとき)を心がけましょう
 口呼吸に比べ、よく気道が開き、肺血管が拡張するので体内への酸素取込量が多くなります
(鼻炎や鼻疾患は全身の慢性的な酸素不足につながる!)

*胸を冷やさないようにしましょう
 肺が冷えると呼吸が浅くなり、心臓が冷えると動悸が起こりやすくなります(…パニック障害の症状)


《こんなことにも気を付けましょう》

*首や肩が凝る方は、起床時や休憩時に首のストレッチをしましょう
(手で頭を支えながら、頭をゆっくり ①前後に ②左右に ③左右斜め前に 倒します)

*午前中に体調が悪い方は、朝シャワーで首~肩を温め、軽く発汗しておきましょう
(暑熱順化…軽い 発汗により体を暑さに順応させる訓練になります)

*冷飲や冷食・生食は避けましょう
 胃腸が冷えると体温調節がしにくくなるとともに、消化吸収力が落ちるので栄養不足になりがちです

*タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など)を摂りましょう
 新陳代謝の主役は細胞の原料であるタンパク質です

■季節のコラム 老化と健康維持■(2014年6月号より)


 東洋医学では成長・発育・生殖・老化は「腎」がコントロールし、その節目は男性が8の倍数、女性が7の倍数だと考えます。人間としての最盛期は男性32歳、女性28才で、以降は徐々に腎気…生命力が衰えていくのです。さらに現代医学では免疫力のピークは20代前半で、その後は加齢とともに低下していくことがわかっています。

《加齢で起こる変化》

①基礎代謝の低下
 生命維持に最低限必要なエネルギー…基礎代謝は、20歳前後から減少し始め、50歳で10~20%、70歳では20~30%減少します。冷え症や筋肉量が少ない人はさらに低くなります。

②新陳代謝の低下
 生命維持に不可欠な体の組織・細胞・骨・血液等の入れ替わり…新陳代謝のスピードは、加齢とともに緩やかになってきます。高齢になるほど病気やケガ、骨折の治癒に時間がかかるようになります。

③栄養吸収率の低下
 消化器機能の低下により食事からの栄養吸収率は低下していきます。咀嚼力の低下や味覚障害が加わってくると食事量も減るので吸収される栄養量はさらに減少します。

④内臓機能の低下
 胃腸の消化吸収だけでなく、肝臓の代謝解毒、心臓の血液循環、肺の呼吸とガス交換、腎臓の排泄などの内臓機能が緩やかに低下していきます。

⑤腸内環境の悪化
 消化器機能の低下により大腸内の善玉菌は減少し、逆に悪玉菌は増える傾向にあります。下痢便秘やアレルギー・免疫異常・感染症へのリスクが高まります。

⑥免疫力の低下
 我々の体を異物から守る仕組みである免疫力が低下していくので、感染症・ガン・自己免疫疾患などのリスクが高まります。ストレスと腸内環境悪化も大きく影響します。70代の免疫力はピーク時の10%前後にまで低下する(!)という報告もあります。

⑦運動機能の低下
 30歳を過ぎると日常生活のみでは筋肉量は年1%ずつ衰えます。さらに骨密度も加齢とともに低下し、特に閉経後の女性は筋肉+骨量の減少が顕著です。

⑧血管の老化
 血管内壁にある内皮細胞の機能が衰えていくことにより動脈硬化が進み、心臓への負担も大きくなります。運動不足・高血圧・糖尿病・脂質異常症などがあるとさらに早く進行します。

⑨ホルモンの低下
 成長ホルモン・メラトニン・女性ホルモン・男性ホルモンなどが低下します。更年期症状・代謝低下・うつ・筋肉や骨量の減少などに大きく影響します。

 加齢によるこれらの変化と反比例して仕事や家事が忙しくなったりストレスが増えていくと、心身の消耗が回復力を上回るようになり、疲労が蓄積していくことにより体の不調が増えていきます。

《抗老化(アンチエイジング)のために》

*体と内臓を冷やさないことが抗老化の基本です
*ストレス・過労・睡眠不足を続けないように
 リラックスできる時間が大切です
 午後10時~午前2時の間は眠っているのが理想です
*喫煙・度を超した飲酒は避けましょう

*軽運動や筋肉運動(ロコトレ)を毎日続けましょう 

*体質と生活に合わせた食養生を実践しましょう 
*毎食のタンパク摂取を心がけましょう
 高齢者は血中アルブミン値のチェックを
*和食・温野菜・根菜・発酵食品を食卓に
(植物性乳酸菌+食物繊維製剤が役立ちます)

*薬食同源…自然薬の補給を心がけましょう
 代謝改善・内臓機能保護・抗酸化・免疫力アップに
(レオピン・瓊玉膏・牛黄・田七製剤が役立ちます)

 健康を維持することは目的ではなく、いきいきとした人生を送るための土台であり手段です。エイジングには「老化」とともに「熟成」という意味があります。体質に合った健康習慣を実践して、人として熟成し充実する時期に、病気や体の衰えによって生活の質を落とさないように気を付けましょう。

■季節のコラム 高血圧■(2014年2月号より)


 店頭での漢方相談では必ず普段の服用薬をお聞きするのですが、中高年以上の世代では高血圧の薬を服用されている方がたいへん多いとともに、薬を服んでいれば大丈夫だと考えている方が多いことに驚かされます。しかし、血圧さえ下がれば高血圧は問題ないという考えには問題があります。本来、血圧は勝手に上がってしまうものではないからです。

 血圧が上がるのは ①ストレス ②飲食内容の偏り ③加齢老化 ④内臓の弱り
⑤生活リズムの乱れ ⑥冷え ⑦運動不足 などの原因が長期にわたり組み合わさって続くことで…
「循環血液量が増加する」
「血糖や脂質などで血液が粘る」
「末梢血管が収縮しやすくなる」
「血管弾力が低下し動脈硬化が進む」
など、血管内を血液が流れにくい状況が出来ることによります。

 元々血液は、酸素や栄養成分・ホルモン・免疫物質を体の隅々まで送り届けるとともに老廃物を持ち帰る重要な役割があります。特に脳にはどんなときでも一定の血液を送り続けなければなりません。だから、血液が流れにくい状況が出来ると、生命を維持するために血圧を上げてこれまでどおり栄養分を送ります。血圧上昇は体を守るための代償作用なのです。

 現代医学において、血圧が上がる原因は様々であるにも関わらず一律に血圧降下剤を使用するのは、高血圧状態が続くと血管や心臓の負担が増大し、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞・腎障害などの合併症を引き起こす可能性があるからです。もちろん血圧降下剤にも肝臓・腎臓に負担がかかったり動悸が起こったりとリスクはありますし、そのために定期的に血液検査をして副作用をチェックすることは欠かせません。

 大切なことは、血圧降下剤を服用して血圧が下がっていても「高血圧が治ったわけではない」ことと「血圧を上げてまで運ぼうとした脳や全身への栄養分運搬量は不足したままになっている」ことを肝に銘じ、できるだけ①~⑦の原因を減らすような養生、努力を続けることです。それが長い目で見たときに心臓や脳・血管を守り、最終的に健康寿命を伸ばすことにつながるのです。

《降圧剤の服用と並行して心がけてほしいこと》

 *交感神経亢進→血管収縮・血圧上昇を防ぐためにストレスを減らす努力をする
 *血圧リズムを守るため朝型生活と夜間睡眠を守る
 *良質な血液を維持するため肝臓と腎臓をいたわる
 *新しい細胞・血管を作るためタンパク質を摂る
 *血液粘度を下げるためミネラル・食物繊維を摂る
 *血液粘度を上げる塩分・糖分・脂肪分は控えめに
 *血流が悪くなるので四肢を冷やさない
 *足を鍛えると血流がよくなり心臓の働きを補える
 *不調時は横になり手足を温めると心臓負担が減る

高血圧の生活養生法は体質と生活状況で一人一人異なるものですので、詳しくは店頭でお尋ね下さい。

■季節のコラム ぢの話■(2013年12月号より)


 痔(ぢ)はとても身近な病気です。日本人の3人に1人はいわゆる痔持ちで、経験したことがある人まで含めると4人中3人(!)ともいわれるほどです。実際、店頭での病気相談で問診しているときも痔の話が出る確率は高いと感じます。また恥ずかしいということで対処が遅れ、悪化してしまってからの相談が多い病気でもあります。

 痔のタイプと症状は大きく分けて3つです。
 ①肛門内外にいぼ状の腫れができる痔核(いぼ痔)
 ②肛門内部の粘膜が切れて出血する裂肛(切れ痔)
 ③肛門内の窪みでたまった膿が肛門外側に通じた穴から出てくる痔ろう(あな痔)

 患者数は①>②>③の順ですが、①②では歯状線から下にできるものは痛みが強く、上(直腸内…知覚神経なし)にできるものはどんなに腫れても出血しても痛みがないという特徴があります。③は①②を繰り返したり、腸内環境や免疫力が低下することにより化膿が常態化する特殊なケースです。

 肛門に症状が出る痔ですが、実は痔はお尻の病気ではありません。痔の根本的な原因は… ①肝臓の疲れ ②胃腸の弱り ③便秘または下痢 ④体の疲れ・冷え ⑤妊娠・出産 などです。
 これらの原因が続くと消化管から肝臓へ至る静脈である「門脈」の血流が滞ります。すると門脈に血液を送り込む直腸~肛門静脈部分が鬱血して血管が腫れたり、腫れたところが破れて出血するのです。
 すなわち症状が現れるのは肛門周辺ですが、その原因は①~⑤にある…ある意味、①~⑤の弱りをお尻を通じて知らせてくれているといってもいいでしょう。だから痔はお尻の病気ではないのです。

 したがって肛門部の炎症・腫れ・出血を治療する服薬療法や外科的手術では原因がなくならないため、圧倒的に再発率が高いのです。
 痔の根治に最も大切なのは、原因を取り除くための服薬と養生法実践の組み合わせです。
 服薬は肝臓や胃腸の働きを助けるとともに、疲れ・冷え・血行不良を改善する漢方薬を土台にしながら炎症・腫れ・出血・便秘・下痢を治すようにします。
 養生法は飲食内容と食事方法の見直し、生活習慣と生活リズムの見直し、自律神経と腸内環境の調整が基本となります。個人個人で異なりますので詳細は店頭でお尋ね下さい。寒い冬は特に痔が悪化しやすい季節です。どうか無理をせずご自愛下さい。

■季節のコラム 健康寿命を伸ばす方法■(2013年10月号より)


 日本人の平均寿命は(四捨五入すると)男80歳、女86歳ですが、自立した生活できる期間を示す健康寿命となると男70歳、女74歳で、介護が必要な期間が10~12年もあります。健康で自立した人生を送り“ピンピンコロリ”を目指すために、また平均寿命と健康寿命の差を縮めるために欠かせない3つの大切なポイントがあります。

①タンパク摂取を心がける
 タンパク質は血液・血管・内臓・筋肉・骨・ホルモン・酵素など、体の様々な組織を作る材料。不足すると貧血・脳血管障害・内臓機能低下・低代謝・免疫不全・筋力低下~足腰の弱り・骨折・老化を起こしやすいのですが、近年タンパク・ミネラルが足りていない新型栄養失調が増えています。好きなものばかり食べる、粗食を心がけている、ダイエット中、高齢の方、パンにサラダ・麺類で食事を済ます方は要注意です。

 ⇒タンパク不足は血液中アルブミン値で判ります
 ⇒豆(特に大豆)+白米を一緒に食べるとタンパクの栄養価が高まります(アミノ酸バランスがよくなる)

 タンパク質&ミネラル補給に…ウイルビーAMS
 カルシウム&ミネラル補給に…ボンエナCa・カルマジン

②筋肉運動を心がける
 筋肉や骨・関節が衰えると歩行などの運動能力が低下し、要介護や寝たきりになるリスクが高まります。 逆に筋肉が増えれば運動能力は高まり、寝たきり予防ができるとともに、基礎代謝がアップし脂肪を燃焼しやすくなるので肥満や糖尿病を防止できます。 また体重が減れば足・腰・膝や心臓への負担を減らすことができるため、腰痛・膝関節炎・高血圧も予防できます。筋肉運動では特に大腰筋などのインナーマッスル(深層部筋肉)を鍛えることが大切です。

 ⇒スクワット・片脚立ち・階段升降運動がオススメ
 ⇒筋肉を増やすには「運動」+「タンパク摂取」が必須

③補腎を心がける
 「腎」は腎臓の働きに加え、成長・発育・生殖能力・ホルモン分泌・骨格維持・脳活動など生命活動の原動力を提供する臓器。腎機能をサポート(補腎)することにより、足腰・内臓・脳・感覚器の老化を緩和し、健康寿命を伸ばすことができます。

 ⇒山芋・キャベツ・キクラゲ・ニラ・栗・クルミ・ゴマ・黒豆・イカ・エビ・海藻・羊肉・シナモン・サンショウ など腎を補う食品を積極的に摂りましょう

 補腎益精に…レオピンロイヤル・瓊玉膏

■季節のコラム 健康の成り立ち ~血液■(2013年6月号より)


 我々が生きていくうえで「血液」はどのような役割を担っているのでしょうか。

 血液は骨髄で造血幹細胞から造られ、体重60kgの人で約5㍑、1日に全身を巡る血液量は7500㍑にもなります。
血液中の細胞成分…血球には、酸素を運ぶ赤血球・免疫に関わる白血球・止血をする血小板があります。
血液中の液体成分…血漿には、体の働きを調節する各種ホルモン・タンパク・糖質・脂質・ミネラルなどが含まれています。



 血液の主な役割は…

①酸素・糖・栄養物質・ホルモン・熱を全身に運搬し、脳・内臓・筋肉・細胞の活動・代謝を維持
②白血球が病原菌や異物から体を防衛(免疫)

 また、一人分の総延長が10万㎞(地球2周半!)に及ぶ血管は、生命維持に不可欠な成分を積んだ血液という車を、体の隅々まで運ぶための道路です。したがって、血管に問題(亀裂や閉鎖)があると血液が働けないばかりでなく、生命にかかわることになります。

③血小板が血管の損傷を防止
④血液の循環自体が血管閉塞・血栓生成を防止

 すなわち、血液は血管網の中をしっかり流れることにより、全身の恒常性維持、異物からの防御、血管の修復を同時におこなって、生命維持に寄与しているのです。このように血液は生命維持に不可欠であることから「流れる臓器」ともよばれています。

《血液の状態がよくないと起こること》
 ・糖尿病、痛風などの代謝性疾患が起こりやすい
 ・血圧が高くなりやすい
 ・肝臓・腎臓の機能が低下しやすい
 ・脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心臓病が起こりやすい
 ・全身の免疫力が低下しやすい
 ・倦怠・凝り・痛み・しびれが起こりやすい
 ・全身や内臓の老化が進みやすい

《血液と血管の質は何で決まるか》
 ◎肝機能(代謝・解毒能力)がしっかりしていること …飲酒、過労、ストレス、化学薬品に注意
 ◎腎機能(代謝・解毒能力)がしっかりしていること …過労、高血圧、高脂血症、糖尿病に注意
 ◎血糖・コレステロール・中性脂肪値が正常範囲であること …高いと血液粘度が上がり高血圧・動脈硬化に
 ◎食事…タンパク・ミネラル・食物繊維不足に注意すること
 ◎生活リズム(自律神経バランス)に注意すること …夜間の活動や飲食・過度のストレスに注意
 △水分補給は血液を薄めても質は改善されない …取り過ぎによる健康被害に注意

■季節のコラム 店頭でよくある質問■(2013年4月号より)

  ~店頭でよくある質問にお答えします~


 ◆井口薬局で漢方薬やサプリを服用している方から…
   ◇電話相談、初めての方、これから服用の方から… 


◆病院の薬と一緒に服用して大丈夫ですか?
 当局ではくすりを選ぶときに「その人の自然治癒力と予防養生を無視して治療薬だけを出さないこと」「病院の薬と併用できること」を心がけ、その上で「①体質改善のための漢方製剤」「②症状改善(治療)のための漢方製剤」「③生活改善のためのサプリメント」という順番で、必要なものから提案させていただいております。
 特に「①体質改善のための漢方製剤」に関しては、天然成分で体の弱りを補うため安全性が高く、病院の薬(化学薬品)と併用は全く問題ありません。 最近、病院で「治療用」漢方薬が出ることが増えましたが、こちらも併用に問題はありません。それでも服み合わせが気になる方や、後から処方せん薬の種類が増えたという方は随時お尋ね下さい。説明とともに、より適切な服用法・養生法をお知らせします。

◆病院の薬が増えてきましたが、それでも大丈夫? 
 病院の薬の種類が増えると、さらに漢方薬を服むのはちょっと…と思いますよね。でも、病院の薬と井口薬局の薬(自然薬・漢方薬)は別に考えて下さい。
 病院の薬は化学薬品なので種類や量が増えると内臓(特に胃腸・肝臓・腎臓)にかかる負担も増え、副作用が出る可能性が高まります。最初から胃腸薬が一緒に出たり、定期的に血液検査をするのには副作用対策の意味もあります。 ところが「①体質改善のための漢方製剤」には、胃腸・肝臓・腎臓の働きを助けて化学薬品の解毒排泄力を向上させる働きがあるので、実際には病院の薬の副作用防止になるんです。
 だから病院の薬が増えるようならむしろしっかり服用して、化学薬品を長期服用しても副作用の出ない体づくりをした方が安心だし、生活の質も高まりますよ。

◆治ってきたので服用を止めていいですか?
 病気や不調には「体質」「生活状況」「食生活」「ストレス」「過労」などの原因が必ずあります。 先の①②③の分類で言えば、①は原因を軽減するために ②はその結果現れる症状を治すために ③は主に食生活を改善するために 服用いただいておりますので、生活養生・食養生を継続するという前提で、まず③、次に②を服用回数を徐々に減らしながら中止していって下さい。その後、生活習慣と食生活を見直し、病気の原因そのものを減らすことができる場合は①も中止してみてよいでしょう。 逆に過労やストレスがなくならない場合は、また病気の原因を貯め込むことになるので、少しずつでも①を継続服用したほうが体は確実に守れます。

◇病院でもらっている薬の相談ができますか?
 化学薬品、漢方薬、サプリメント、処方せん薬、市販薬、通販商品なんでもご相談下さい。病院の薬が多種類になる場合だけでなく、一人の方が様々なものを服用している場合も「交通整理」は必要です。 自分にとって必要なもの(優先順位)はどれか、不要なものや意味のないものはないか、相互作用は起こらないかを理解することはとても大切です。
 かかりつけ薬局、よろず健康相談処、薬やサプリメントの交通整理屋だと思って、お気軽にご相談下さい。

◇どのサプリメントを選べばいいのでしょう?
 サプリメントの長所は、手軽に飲みやすいものが多いこと、1~2成分で出来ているので目的が明確であること、比較的安価であることです。 逆に短所は、自己判断で選ぶので合わない効かないことが多いこと、種類や錠数が増えると体内に入る添加物の量が増えること(肝臓に負担)でしょうか。
 漢方薬やサプリメントは広告や口コミで選ぶのではなく、自分の体質と生活・食事の状況から優先順位をつけて選ぶべきです。できれば服んでいるサプリメントの袋やビンをそのままご持参下さい。添加物なども考慮して仕分けさせていただきます。

■季節のコラム 笑いと健康の関係■(2013年2月号より)

 吉本新喜劇を見ると免疫力が高まるという話がありましたが、実際に笑いには様々な効用があります。


 ・自律神経が安定(リラックス)する
 ・血液循環がよくなる
 ・ストレスが減少する
 ・血圧、血糖が下がる
 ・感染症が予防できる(免疫グロブリン増加)
 ・がん予防ができる(ナチュラルキラー細胞増加)
 ・鎮痛、抗うつ効果がある(βエンドルフィン分泌)
 ・頭寒足熱になる 
…等々です。


笑いには即効性があり、副作用もなく、費用もかかりません。普通、我々は笑いを得るため、なにか楽しいことをしようと考えます。会話をする・バラエティ番組を見る・体を動かす・歌を歌うなどで楽しくなると笑いが出る(ラフスマイル)という図式です。

 ところが、もっと簡単で即効性のある方法があります。…それは何の準備もなく「笑顔をつくる(メイクスマイル)」ことです。むりやりにでも笑顔を作ると脳内でハッピーホルモンと呼ばれるβエンドルフィンが分泌され、脳が「楽しい」と勘違いします。すると今度は脳の楽しさが顔面に伝達されて、本当の自然な笑顔になるのです。作り笑顔が笑いを誘うという図式です。これを「顔面Wフィードバック効果」といい、笑顔が苦手な人や、笑う機会が少ない人にはオススメの方法です。

 実際に笑顔を作る時には「表情筋(表情を作る顔面部の30種類以上の筋肉)ストレッチ」を行います。  口角(口の両端)を普段より10度上げて笑顔を作るのです。上の歯を見せて笑顔をつくるように心がけたり、割り箸を口に加え口角を上げる練習をしてもよいでしょう。とにかくスマイル、スマイルです!

 笑顔や表情を作る訓練は、健康面では脳の活性化、認知症や脳梗塞の予防、自律神経安定などの他、眼精疲労の予防、胃腸の働きの調整、口呼吸の改善、唾液分泌の促進、噛み癖の改善、誤嚥の予防、顎関節症の軽減にも役立ちます。  美容面でもシワ・たるみ・むくみ・肌荒れ・顔や口元の歪みの改善に有効ですし、何より笑顔そのものが明るい・優しい・前向きな印象を与え、人間関係やコミュニケーションがうまくいくようになります。  これを鏡のように表情が伝わるという意味で「ミラー効果」(自分が笑顔→相手も笑顔、相手が笑顔→自分も笑顔)といいます。

 もちろん、作り笑顔であっても冒頭に述べた「笑いの効用」も当然得られます。作り笑顔で心身ともに健康を作りましょう(笑)。

*顔のスイッチを切り替えれば、心のスイッチも変わります。
*楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのです。
*笑顔は笑顔を育てます。
*笑う「顔」には福来たる。


(表情筋セラピスト公認インストラクター 上田真弓先生の講演より抜粋)

■季節のコラム 五臓と感情■(2012年12月号より)

  東洋哲学の源流には陰陽五行論という思想があり、東洋医学(漢方)もこの考えに則って五分類が基本となっています。五分類の最も代表的なものが五臓で、五臓に対応して感情、味覚、声、食物、色、季節などあらゆるものを五行に配当しています。 今回は「五臓と感情(五志)」について解説します。


  五行  :  木 火 土 金 水
  五臓  :  肝 心 脾 肺 腎
  五志  :  怒 喜 思 悲 恐

『 五臓と感情の相関関係 』

①怒りは肝と関係が深い
 怒りやストレスは肝を弱め、めまい・耳鳴り・不眠・筋肉痛・目の弱り・血圧異常・生理不順などを起こしやすくなります。逆に肝が弱ると、怒りやストレスを制御できなくなるとともに自律神経症状・更年期症状などが現れます。

②喜びは心と関係が深い
 喜びや興奮が過度になると心を弱め、息切れ・動悸・不整脈・血流障害・血圧異常などを起こしやすくなります。逆に心が弱ると、不眠・不安・健忘・うつ・興奮・精神障害などが現れます。

③思慮は脾と関係が深い
 物事を考えすぎると脾(胃腸)を弱め、食欲不振・胃痛・吐き気・便秘・下痢・代謝障害・むくみなどを起こしやすくなります。逆に脾が弱ると、不眠・無気力・思考力低下などが現れます。

④悲憂と肺は関係が深い
 悲しみ憂いが大きいと肺を弱め、息切れ・咳・倦怠感・感染症などを起こしやすくなります。逆に肺が弱ると、悲しみ・憂慮・意気消沈などが現れます。

⑤恐驚と腎は関係が深い
 恐怖や驚きが大きいと腎を弱め、足腰の弱り・めまい・耳鳴り・排尿異常・精力減退・不妊などを起こしやすくなります。逆に腎が弱ると、健忘・不眠・更年期症状・老化現象などが現れます。

もう少し解説しますと…東洋医学では意識や精神活動の中心は心であると考えます。また、精神活動の栄養源は腎と脾の働きで作られる血(けつ)であり、心の精神活動を推進・調節をするのが肝なのです。さらに脳は腎・心・肝が密接に関連して運営維持していると考えます。すなわち、精神活動や感情・思考は、脳や自律神経だけの活動ではなく、すべて五臓とリンクしていると考えるのです。

厚生労働省は今後、がん・脳卒中・心臓病・糖尿病の4大疾病に、患者数が増加している精神疾患を加え5大疾病とするそうです。西洋医学では精神疾患(脳や神経系の問題)と肉体疾患はまったく別物と考えますが、東洋医学では心と体は繋がっている(一体である)と理解するため、精神疾患では必ず五臓を調整し、また肉体的疾患でも必ず感情の安定を図るように注意します。

■季節のコラム 漢方の食養生■(2012年10月号より)

 漢方薬や自然薬を服用していただく場合に、店頭で最も時間をかけて確認するのが食事についてです。食事内容、食べ方、食べる時間帯、食前食後の胃腸の具合、好き嫌い、間食・夜食・おやつの有無、お茶や汁物も含む水分の摂取量…様々なことをお尋ねするのには理由があります。


 栄養学では食品は栄養素成分やカロリーを元に分類しますが、漢方では「四気」「五味」「帰経」という独特の概念の組み合わせにより食品を分類し、効能が決定されます。


「四気」(寒・涼・平・温・熱)とは、食品が体を冷やすか温めるかを分類するものです。体を冷やし消炎鎮静の働きを持つものを寒や涼といい、寒や涼の食品は夏の暑い時期、暑がりの人、炎症がある場合などに有効です。逆に体を温めて新陳代謝を亢進する働きを持つものを熱や温といい、熱や温の食品は冬の寒い時期、冷え性の人、新陳代謝の悪い場合に有効です。


「五味」(酸・苦・甘・辛・鹹)「帰経」(肝・心・脾・肺・腎)は食品の味から効き目と効く場所を類推するもので、酸味のものはストレスを解消したり引き締める作用があり、肝・胆に働く。苦味のものは炎症を抑える作用があり、心・小腸に働く。甘味のものは緊張を緩め疲れをとる作用があり、脾・胃(胃腸)に働く。辛味のものは発散し血行をよくする作用があり、肺・大腸に働く。鹹(塩辛い)味のものは物を軟らかくする作用があり、腎・膀胱に働く…といった具合です。


 例えば、寒の性質を持つスイカ・ナシ・バナナは体の熱を冷ましてくれますが、冷え症の人が食べ過ぎると新陳代謝を低下させるもととなります。ちなみに同じ寒の性質でもスイカは胃、ナシは肺、バナナは大腸と、冷やす場所が異なります。逆に、冷え症の人や寒い時期にカゼをひいたときは温の性質を持つショウガやシソが有効となります。酸味の梅は下痢や汗の出過ぎを防ぎます。苦味のお茶やコーヒーは胃熱を取るので食後に最適ですが、胃腸を冷やすぶん飲み過ぎに注意が必要です。甘味の米、イモ、乳製品など多くの食品は体の疲れを取ってくれます。辛味のニンニク、ネギは体を温め、カゼを治してくれます。鹹味の貝や海草はしこり・腫れに有効です。


 このような考え方からすると、なぜ体質別に食べ物に気を配ることが大切なのかお分かりいただけると思います。漢方薬についても、こういった考えに基づいて生薬を組み合わせ効果が出るようにしているので、漢方薬と食事の方向性がずれていたり反対になったりすると漢方薬自体の効き目が低下するとともに、治療や体質改善の速度が極端に落ちてしまうのです。


店頭では大分類として
  • ①冷え症
  • ②暑がり
  • ③血行不良
  • ④ストレス

タイプの食養生の話をよくします。①は体を冷やす食品を避け ②は体を温める食品を避け ③は血流を良くする食品を勧め ④は気の巡りをよくする食品を勧める ことを基本にしています。…詳細については店頭でお尋ね下さい。

■季節のコラム 脾胃の話■(2012年6月号より)

 以前のコラム(五臓と季節)で、土用に脾が弱りやすいと書きましたが、ちょうどこれからの季節に関係しますので、もう少し詳しく解説いたします。
 土用とは立春・立夏・立秋・立冬前の18日間を指します…要は季節の変わり目だと考えて下さい。梅雨から夏にかけての高温多湿の時季も土用です。
 脾は五臓のひとつで、五腑である胃とともに脾胃とも呼ばれます。現代医学では胃腸(に肝臓の働きの一部を含んだもの)だと考えて差し支えありません。
脾(胃)には以下の働き・特徴があります。

  1. ①運化と昇清を行なう
     運化とは飲食物を消化・吸収・代謝して栄養や血液に変える働き、昇清とは栄養や血液を体の上方へ運んだり、内臓の位置を支える働きのことです。
     脾が弱ると、運化ができずにゲップ・吐き気・嘔吐・食欲不振・胃不快感・胃痛・腹痛・下痢・便秘・帯下・むくみなどが、昇清できずに疲労倦怠・貧血・めまい・頭重・無気力・内臓下垂・脱肛などが起こります。
  2. ②口・四肢・肌肉を支配する
    脾は口・四肢・肌肉と関連が深く、これらの箇所に栄養を送って正常な働きをサポートしています。
     したがって、脾が弱ると口内炎・味覚障害・手足の脱力感・皮膚のくすみや肌荒れ・シミ・顔や手足のむくみ・慢性の皮膚病などの症状が表れます。
  3. ③血液を統括する
     血液が血管から漏れないように制御しています。
    したがって、脾が弱ると皮下出血(青あざ)・鼻血・血尿血便・不正出血などが起こります。

     脾にはいくつか弱点があり、そのひとつが湿度に弱いことです。雨や多湿な気候、水分過剰摂取などで体内の湿気が多くなりすぎると正常な働きができなくなるのです。もうひとつは「思(悩みや心配事)」に左右されることです。多忙やストレスなどで悩みや心配事が多いと脾は弱ってきます。
    脾が弱ると①~③の働きができなくなり症状が表れるのです。また脾が弱ることによってストレスに弱くなったり不安・不眠を起こしやすくなります。

《こんなことに気をつけましょう》

 *運動で発汗して余分な水分を体外へ
 *発汗後の水分は温かいもので適量だけ補給

 *食事はよく噛んで唾液を混ぜる(早食いしない)
 *胃液を薄める食事中の水分摂取は控える
 *米・煮野菜・魚・豆腐・大豆・小豆・ゴマなどを積極的に摂り、生もの・果物・生野菜を摂り過ぎない
 *脂っこい~味の濃いものは控えめに(薄味が基本)

 *夜間は体を休め、過飲食や考え事(仕事)は控える
 *睡眠で内臓も休養を(理想は午後10時から午前6時)

 脾を弱めると胃腸症状だけでなく、倦怠感・皮膚の炎症・出血症状・精神症状そして免疫力低下が起こります。梅雨から夏にかけてはしっかり脾を守り、上記症状や夏バテから心身を守りましょう。

■季節のコラム 病気を治す秘伝■(2012年4月号より)
  1. ①肝臓はニコニコ笑って治すもの
     昔から怒りっぽい人をカンシャク持ちとかカンが高ぶっているといいます。
     カンは肝に通じており、肝臓が弱ってくると怒りっぽくなるのです。
     怒るとさらに肝臓に負担がかかって弱るので注意しましょう。
     もちろん血圧や心臓にも良くないですね。
     心に余裕と笑いを…スマイルスマイル!
  2. ②糖尿は額に汗して治すもの
     ご飯一杯のカロリーを消費するのにウォーキングだと普通の速度だと1時間以上、大またでさっさと歩いても45分以上はかかります。最近、額に汗することが少ない方は是非こまめに動きましょう。
  3. ③腎臓は冷えないように治すもの
     肝腎要の一方の雄である腎臓は内臓の中では最も外側にあり、腰にくっつくように存在しているので冷えやすく、冷えると病が悪化しやすくなります。腰痛や夜間頻尿がある方は特に冷えないよう注意しましょう。
  4. ④胃病は大好物を食べないで治すもの
     胃腸病ほど食べ物に関係がある病気はありません。
     昔から好きなものを三つ止め、嫌いなものを三つ食べるのが基本とされるくらいです。
     もちろんよく噛んで食べることもとても大切です。
  5. ⑤心臓はぐっすり眠って治すもの
     心臓が弱ったときは疲れもいよいよ本丸に入ってきています。
     早め早めの休養と気分リフレッシュのための軽い運動が必要です。
     そしてぐっすり眠って下さい。
     そうすれば自分自身の自然治癒力がモリモリ湧いてきます。
  6. ⑥鼻・肺はガブガブ飲まずに治すもの
     鼻水や肺の気管支から出る痰は、水分の取りすぎで悪化します。
     必要以上に飲み過ぎることにより体内に水気が多くなり、小便や汗では捨てきれなくなって鼻水や痰として外に出てくるのです。
     水分はゆっくりと、噛むようにお飲み下さい。
  7. ⑦皮膚病は素直な心と気を長く
     体質から起こる病気は治りにくいものです。
     特に皮膚病は治りが悪く慢性化します。
     塗り薬を使えば一時的におさまりますが、皮膚は内臓の鏡なので、体の中から出てきた湿疹やアトピーは根治せずにまたすぐ出てきます。
     塗り薬や一時的に抑える薬だけに頼らず、焦らず体の中から根本的に改善しましょう。
  8. ⑧冷え症は暑いときに治すもの
     季節性の病気はどうしてもその季節になって症状が出だしてから慌てて治そうとします。
     しかし、冷え症のような病気こそ常日頃からの予防を大切にして、寒くない時季から体調を整えていくことがいちばん大切です。
  9. ⑨満腹は空腹よりも害多し
     人間の歴史は飢餓との闘いであったといっても過言ではありません。
     そのため、我々の体には栄養不足に対する備えのシステムが幾重にも存在しています。
     しかし食べ過ぎたときの処理システムはほとんと必要なかったためとても少なく、そのため肥満や糖尿病になりやすいのです。
     「可愛い子には三分の飢えと寒さを」「腹八分に医者いらず」は真実です。
  10. ⑩肩こりは足腰鍛えて治すもの
     誰でも悪いところがあるとその場所だけを治そうとします。
     しかし、人間の体はそれぞれ関連を持って働いているのが特徴です。
     内臓-血流-神経-筋肉も同様で、肩こりは肩が原因でないほうが多いのです。
     姿勢を正し、足腰をよく使うことから始めましょう。
     長時間のテレビ・パソコンもダメですよ。
  11. ⑪ストレスは感謝と知足の心で大丈夫
     ストレスに善悪があるのをご存じですか?
     善いストレスは体の働きを活発にし、気力を増してくれます。
     一方、悪いストレスは病気への道案内人です。
     期限を設けて目標に向かう場合でもやる気とプレッシャー両面があるように、その差は考え方の差だけです。
     知足とは満ち足りていることを知り、不足感を持たないということです。
■季節のコラム 冷え症の分類と対策■(2012年2月号より)

西洋医学では病気と見なされず決め手となる治療法のない冷え症ですが、東洋医学ではタイプ(証)別に漢方薬や養生法があります。
 人体は、身体を温める気(陽気)と身体を冷やす血(けつ…陰液)のバランスが取れてはじめて健康体だといえるので、気血の不足や停滞は冷え症の原因になります。また気血のバランスの崩れにより寒邪や湿邪が侵入する場合も冷え症の原因になります。

  1. ①脾陽不足証
     胃腸が弱く、疲れやすいタイプ。胃腸をいたわりよくかんで食べる、水分を摂りすぎない、温性食品を摂り寒性食品を控える、必ず3食食べる、ダイエットしない、睡眠不足を避ける、汗をかきすぎないことが大切です。
  2. ②腎陽不足証
     体力が低下し、足腰膝や泌尿器に症状が出るタイプ。しっかり休息を取り補腎薬を補う、水分を摂りすぎない、温性食品を摂り寒性食品を控える、ダイエットしない、睡眠不足を避ける、汗をかきすぎないことが大切です。
  3. ③血虚受寒証
     栄養が不足し、しもやけや貧血・肌荒れを起こしやすいタイプ。よくかんで食べる、温性食品を摂り寒性食品を控える、良質のタンパク質やミネラルを摂る、ダイエットしない、睡眠不足を避けることが大切です。
  4. ④肝鬱気滞証
     忙しかったりイライラすると冷えるタイプ。睡眠不足を避ける、夜間に仕事をしない、気分転換をはかる、適度な運動をする、脂っこいものや味の濃いものを控えることが大切です。
  5. ⑤血オ阻絡証(ケツオソラクショウ)
     あざができやすく凝りや痛みがあり、冷えるとのぼせるタイプ。睡眠不足を避ける、夜間に仕事をしない、適度な運動をする、脂っこいものや味の濃いものを控える、タバコや濃い酒を控えることが大切です。
  6. ⑥寒湿阻滞証
     むくみやすく、冷房に弱いタイプ。冷房や冷える環境・多湿の環境を避ける、夜間や雨天時の作業を避ける、水分を摂りすぎない、温性食品を摂り寒性食品を控える、適度な運動をすることが大切です。

全てのタイプに必要な養生は「体を冷やさない」「睡眠不足を避ける」「タンパク質を積極的に摂る」「筋肉運動を毎日行なう」ことです。

 ④~⑥は温めても治らないタイプです。
 また①~⑥は複合して現れることもありますので、詳しくは店頭でご相談下さい。

 冷えは単なる症状ではなく、免疫力や抵抗力の低下をはじめ、自律神経失調や神経痛、めまい、肩こり、便秘、下痢、生理痛、不妊など様々な病気を引き起こします。病気になる前(未病)の段階で治しましょう。

■季節のコラム 糖尿病は筋肉の病気■(2011年12月号より)

病気や寝たきりにならず、安らかに生を終えたい(ピンピンコロリ)というのは誰もが願うことですが、そのヒントのひとつが 「宇宙」 にあります。

我々は平素、地球の重力を受けて生活しているわけですが、宇宙空間では重力がないため ①骨 ②筋肉 ③血糖 ④心臓 に大きな変化が現れます。

①宇宙では重力という負荷がかからないため、骨は急速に減少し、2週間で50才女性は65才に、30才男性でも10ヶ月で75才の骨量になります。
②筋肉も1日1%ずつ萎縮・退化するため、筋力が低下するとともに
③筋肉運動に必要な糖分(7割が筋肉、2割が脳で使用)が不要になり血液中に溢れるため、極度の高血糖すなわち糖尿病になります。
④重力に抵抗して血液を送り出す必要がないため心臓(心筋)も弱ってしまいます。

古川聡さんも国際宇宙ステーションから半年ぶりに地球に帰還した直後は 「筋肉の衰えのため歩けない」 「転倒すると骨折する」 「地上の重力に体を慣らすため1ヶ月半のリハビリが必要な」 状態だったそうです。…これがなぜヒントになるかというと、現代人の生活形態に酷似しているのです。

日本では戦後の復興から高度成長とともに生活様式が変化し、日本人はかつてないほど豊富な栄養を摂取するようになりました。その結果、飽食の時代と言われるようになり、糖尿病患者は急増しました。 つまり、これまでは飽食…高カロリー食が糖尿病の原因だと言われ続けてきたわけです。
ところが近年は状況が変わってきており、今の成人1日の摂取カロリーを昭和50年と比較すると2230→1880キロカロリーと350キロカロリーも減少しています。これは驚くべきことに終戦直後の昭和21年と同水準です。

摂取カロリーは減りつつあるのに糖尿病は昭和25年の50倍に、そして高脂血症、高血圧などの生活習慣病も増え続けています。
このような状況になっている理由はただひとつ、 現代が人類の歴史の中で最も体(筋肉)を動かしていない時代だからです。摂取カロリーが減っているにもかかわらず、消費カロリーがそれ以上に低下しているため高血糖になるのです。現代人が昭和50年の食事を続ければ、誰もが1年で15kgも肥ってしまいます。無重力空間で宇宙飛行士が経験する体の変調が、今まさに現代人の体で起こっているのです。


筋肉を使わないと無重力空間と同様に骨と筋力が低下し、足腰や心臓(心筋)が顕著に弱ります。また肥満から高血圧・高血糖・動脈硬化を起こしやすくなります。宇宙でなくとも、3週間寝たきりで筋肉を使わずに過ごすと心肺機能は30%、体力も30年分低下しますし、血流悪化により脳活動も低下します。


人間は知能が高度に発達していますが基本は生物なので、動けなくなると生命を維持できなくなる運命にあります。人類はいまだかつてないほどに動かなくなっており、それにより自滅しようとしているといっても過言ではありません。いまや肥満・糖尿・高脂血症・高血圧・脳梗塞・心筋梗塞は生活習慣病ではなく 「生活不活発病」 だと言えるでしょう。


*リズミカルな筋肉運動を毎日 継続して行いましょう!
(スクワット・階段昇降・片脚立ち等)
*足腰を鍛えると心臓を強化できます!
*階段を見たら運動できる、ありがとうと感謝しましょう!
*座っていないで立って動きましょう!
*立つと+20%、歩くと3倍エネルギー消費アップ!
*こまめに動くだけで800キロカロリーに(非運動性熱産生)!
*糖質とタンパク質と運動はセットで必要です!
*脂質だけは頑張って減らしましょう(和食中心)!
*糖尿病は筋肉の病気だと考えましょう!


治療薬で血糖・血圧・コレステロール・中性脂肪の検査数値を下げる(進行と最悪の状況を防ぐ)ことはできますが、血液や血管の状態が改善できたり健康になったわけではありません。健康で長生きを実現するために 「こまめな運動」 「正しい食事」 「内臓・血管を守る自然薬」 はセットで実行しましょう。

…足・腰・膝に障害がある場合は別メニューになりますのでご相談下さい。

■季節のコラム 五臓と季節■(2011年10月号より)

東洋哲学の源流には陰陽五行論という思想があり、東洋医学(漢方)もこの考えに則って五分類が基本となっています。五分類の最も代表的なものが五臓で、五臓に対応して感情、味覚、声、食物、色、季節などあらゆるものを五行に配当しています。 この分類は、臨床上おおむね有効かつ実用的です。以前「五臓と五色」について述べましたが、今回は「五臓と季節・気候」について解説します。

五行 : 木 火 土 金 水
五臓 : 肝 心 脾 肺 腎
五季 : 春 夏 土用 秋 冬
五悪 : 風 熱 湿 燥 寒


『五臓と季節・気候について』

季節の移り変わりがある中国や日本では、必ず季節により増える病気や不調というものがあります。各臓器の弱りやすい時季を憶えておくと早い段階で病気予防や健康づくりに役立てることができます。

①肝は春に弱りやすい
肝には全身の内臓や神経バランスを整える働きがあります。特に風の影響を受けて春に弱りやすく、肝臓病・自律神経失調・うつ・不眠・血圧異常・生理不順・めまい・疲れ目・肩こりなどが悪化します。
外風の影響を避けるためには風に当たらないこと、内風の影響を避けるためにはリラックスする時間を持つことと睡眠を十分取ることが大切です。

②心は夏に弱りやすい
心には血管血流を維持し、精神活動をコントロールする働きがあります。特に熱の影響を受けて夏に弱りやすく、心疾患・血圧異常・動悸・不眠不安・精神障害・健忘などが悪化します。
熱の影響を避けるためには直射日光を避け、辛いもの・脂っこいもの・酒を減らし、睡眠を十分取り、血流改善のために毎日歩くことが大切です。

③脾は土用に弱りやすい
脾には飲食物を消化吸収して栄養や血液に変える働きがあります。特に湿の影響を受けて土用(立春・立夏・立秋・立冬前の18日間…季節の変わり目のこと)に弱りやすく、胃炎・下痢便秘・アレルギー・貧血・下血・免疫疾患などが悪化します。
湿の影響を避けるためには湿気の多い環境を避け、水分や脂っこいものを減らし、和食中心によく噛んでゆっくり食べることが大切です。

④肺は秋に弱りやすい
肺には呼吸と全身の気や水分の流れを調節する働きがあります。特に燥の影響を受けて秋に弱りやすく、カゼ・ゼンソク・鼻炎・乾燥肌・ジンマシンなどが悪化します。
燥の影響を避けるためには乾燥しないように加湿したり、汗をかきすぎないようにすることが大切です。また体の冷えと生冷物や果物などの摂り過ぎにも気を付けましょう。

⑤腎は冬に弱りやすい
腎には成長・発育・生殖・新陳代謝・体温などを維持し高める働きがあります。特に寒の影響を受けて冬に弱りやすく、腎臓病・膀胱炎・免疫疾患・更年期障害・冷え・腰痛・老化・難聴・耳鳴り等が悪化します。

寒の影響を避けるためには冷えないようにし、体温以下の飲み物や生もの・生野菜・果物を摂りすぎないことと良質のタンパク質やミネラルをバランスよく摂ること、また睡眠や生活リズムを含む生活全般の見直しが必要です。ストレッチや運動で毎日少しずつ足腰(筋肉)を鍛えることも大切です。

五臓の中で弱いところがあったり持病をお持ちの方は、特に関連する季節に注意して、また養生を心がけながら過ごしましょう。
■季節のコラム ロコモティブシンドローム対策■(2011年8月号より)

最近、腰や膝が痛いので運動を心がけているという話をよく聞きます。体の土台である骨を支え動かすのは筋肉なので、痛みや運動障害には骨強化とともに筋肉強化が不可欠なのですが、間違ったやり方を続けている方も多く見受けられます。そういった方に、私は店頭で以下のようなお話をしています。

①基本はインナーマッスルを鍛える運動です。
インナーマッスルの一つである腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)は背骨と腰の骨、そして太ももの骨をつないでいて、姿勢の維持や下半身を使った動作の制御に重要な役割を果たしています。
脚を根元から動かすような動作を行えば腸腰筋を鍛えることができて、正しい姿勢が無理なくできるようになりますし、足腰膝の強化にもなります。オススメは「スクワット」「片脚立ち」「踏み台昇降」の3つです。

②運動は毎日続けることが大切です。
インナーマッスルを強化するには、週1~2回のトレーニングではなく、毎日少しずつ続けることです。ただし、痛みがとれにくい方には運動を中止することもあります。運動しないと動けなくなるという焦りで真面目に運動することが、かえって痛みを長引かせてしまうからです。この場合は、負担のかからない筋肉運動だけを続けるようにします。

さらに、筋肉強化のために欠かせない点が二つ…。

③運動と並行してタンパク摂取を欠かさないこと
タンパク質(アミノ酸)は筋肉や血液、骨、関節、細胞の主要原材料です。常に新しいタンパク質が必要な状況で、摂取不足のまま運動しても筋肉がつくことはありません(痛めるだけです)。

④血液循環を常によくしておくこと
血液循環が悪いと、筋肉や関節の新陳代謝が低下します。損傷や疲労の回復を早めるためにも、体の冷えに気をつけて、温性食品や漢方薬で内臓をしっかり温めておくことが大切です。

人間の体は、血液も筋肉も関節も骨も内臓も常に新しいものに入れ替わっています。姿形は変わらなくても細胞レベルでは1年前とはほとんど別人で、これは年齢に関係なく生きている限り変わりません。 したがって、努力すれば必ず弱い箇所を改善することができます。焦らず正しい方法を継続すれば、痛みや運動障害は必ず軽くすることができるのです。
こういった「運動」+「タンパク摂取」+「血流改善漢方」の組み合わせは、低体温や低代謝・免疫低下改善にもたいへん有効です。また、不定愁訴が多い方、むくみや脂肪を減らしたい方にも必須の健康法といえます。適切な実践法については個人個人異なりますので店頭でご相談下さい。
■季節のコラム 五臓と顔色■(2011年6月号より)

漢方…東洋医学の源流は陰陽五行論という東洋哲学思想にあります。陰陽とは月と日(太陽)、五行とは木・火・土・金・水で、面白いことにこれらを合わせると曜日一週間の名称が出来上がります。…現代中国ではこの名称は使われていないのですが。

漢方もこの考えに則って五分類(その各分類に陰陽が存在する)が基本です。五分類の最も代表的なものが「五臓」で、五臓に対応して感情、味覚、声、食物、色、季節などあらゆるものを五行に配当しています。この分類は、臨床上ではおおむね有効かつ実用的です。今回はその一部を紹介するとともに「五色」について解説します。
五行:木 火 土 金 水
五臓:肝 心 脾 肺 腎
五色:青 赤 黄 白 黒
五季:春 夏 土用 秋 冬

(…青春や白秋という言葉も五行論からのものです)

『五臓と顔色の関連について』

体調が悪いと青くなったり、興奮すると赤くなったり、顔色はその時々の体調…特に内臓の状態が現れます。顔色の変化に気づくことで早い段階で病気予防や健康づくりに役立てることができます。

①顔色が青い(肝)
肝が弱ると血液浄化作用が不十分となり、肌や血管が青っぽく見えます。目や筋肉、自律神経にも症状が現れやすくなります。検査数値は本当に悪化してからようやく上昇するので、正常値のうちに養生しておくことが大切です。

⇒ストレスをためないよう注意し、リラックスできる時間を持つこと、睡眠を十分取ることが大切です。緑黄色や香味の野菜、大豆や魚などの良質なタンパク質を摂りましょう。アルコールはほどほどに。

②顔色が赤い(心)
心が弱ると心機能とともに精神活動(こころ)が失調しやすくなります。精神的な興奮や血圧上昇、血行障害などで顔色が赤くなります。さらに心筋梗塞や脳梗塞、不眠、不安、健忘などの症状も現れやすくなるので要注意です。
⇒睡眠を十分取り、血流改善のために
毎日歩くことを心がけましょう。ネギ類や青魚を摂り、香辛料やアルコールは控えましょう。

③顔色が黄色い(脾)
脾(胃腸)が弱り、消化力が低下すると、顔色や白目部分が黄色っぽくなります。弱りがひどいと黄疸のように見えたり、貧血症状や胃腸病、吹き出物~皮膚炎、口内炎、皮下出血、下痢~便秘などが現れます。
⇒和食中心に、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。食事前後は水分摂取を控え、消化吸収代謝を助けることと食べ過ぎないことが大切です。

④顔色が白い(肺)
色白の人は呼吸器(肺)や皮膚が弱く、そのために感冒や鼻炎、ゼンソク、皮膚炎を起こしやすくなります。慢性の皮膚炎は内臓の不調が原因なので、ステロイド外用薬を使っても完治しません。
⇒冷えがあると気管支が狭くなりやすいので、体の冷えと生冷物や果物などの摂り過ぎに気を付けましょう。また姿勢が悪かったりストレスが多いと呼吸が浅くなり疲れやすくなるので要注意です。

⑤顔色が黒い(腎)
腎が弱ると、顔色がどす黒くなってきたり、目や頬・腰回りが黒ずんできます。免疫力の低下や頑固な冷え・低体温も腎の弱りです。腎は加齢や不摂生で衰弱するので、生活全般の見直しが必要です。
⇒⇒黒豆、黒ごま、大豆、山芋、海藻、小魚キノコなど、良質のタンパク質やミネラルをバランスよく摂ると同時に、ストレッチや運動で毎日少しずつ足腰(筋肉)を鍛えることが大切です。
■季節のコラム 噛むということ■(2011年4月号より)

前号では、食養生の中で唾液を活用した食べ方の大切さについて述べましたが、今回は唾液を出すための必須条件でもあった「噛む」ことについて、もう少し考えてみましょう。
我々は食物を噛み砕き、消化しやすい形にして胃に送り込んでいます。消化の第一歩となる重要な行為といえますが、噛むことにはそれ以外にも様々な効用があります。それをまとめると… 「ひみこの歯がいーぜ」となります。
「ひ」肥満を予防
…脳の満腹中枢が働いて、食べ過ぎを防ぎます
「み」味覚の発達
…味わうことにより食べ物の味がよくわかります
「こ」言葉の発音明瞭
…口周囲の筋肉が動くので表情が豊かになり発音がきれいになります
「の」脳の発達
…脳細胞を活発化するので子供の知育を助け、高齢者の認知症を予防します
「は」歯の病気予防
…唾液が口内を殺菌して虫歯や歯周病を防ぎます
「が」ガンを予防
…唾液中の酵素が発ガン物質の毒性を低減します
「い」胃腸の働きを促進
…唾液中の消化酵素や粘膜保護成分が働きます
「ぜ」全力投球できる
…歯を食いしばると集中と全力投球ができます

逆に、噛むことができないと
・消化力が低下して胃に負担がかかり、腸内環境が悪化する
・唾液の効用が得られず、虫歯や歯肉炎になりやすかったり全身の免疫低下が起こる
・顔の輪郭が歪んだり、肩こり・頭痛・腰痛・顎関節症などの原因になる
・発音がしづらくなる
・集中力が低下する
といった問題が生じます。

しっかり噛むようになるために、以下のことに気を付けましょう。

①一度食べたら箸を置きましょう
②加工食品や軟らかいものばかりにならないよう気をつけましょう
③噛みごたえのあるものを食べましょう
④食事には時間をかけるようにしましょう
⑤噛むことにより唾液を出すよう意識しましょう
⑥自然の恵みを中心に食べましょう
⑦食事中の水分を控えて、食物を流し込まないようにしましょう
⑧虫歯やかみ合わせ、歯周病に気を付けましょう

特に子供には早くから噛むしつけをすることにより、集中力を高め、アレルギー疾患や下痢・便秘を防ぐことができます。噛むことは心身を強くするので、是非頑張っていただきたいと思います。
■季節のコラム 唾液の効用■(2011年2月号より)

我々人間は食物を摂取し、消化・吸収・代謝することにより、細胞・血液・骨・筋肉・エネルギー等を作り出し、生命を維持しています。まさに「食は命なり」です。食は「食事内容」と「食べ方」が基本ですが、つい忘れがちな「食べ方」にこそ健康づくりのポイントがあります。今回は食べ方の基本である「唾液を最大限活用する」ことについて考えてみましょう。
「唾液に含まれる成分とその働き」
・リパーゼ、アミラーゼ他(…消化酵素)
・ペルオキシダーゼ(…抗酸化酵素)
・リゾチーム(…抗菌作用のある酵素)
・パロチン(…老化防止ホルモン)
・ムチン(…粘膜保護)
・ラクトフェリン(…抗菌・整腸作用)
・アルブミン(…口内乾燥防止)
・カリクレイン(…血液循環改善)
・IgA,G,M(…免疫抗体)

唾液にはこのように素晴らしい働きがあるにもかかわらず、多くの人はじゅうぶんな活用ができていません。

「唾液を最大限活用するのに必要なこと」

①よく噛む
唾液腺を含む腺組織は筋肉に裏打ちされているので、よく咀嚼して顎や舌の筋肉を動かすと、唾液の分泌は促されます。さらに噛むことによって脳を刺激し、血流や代謝が高まるので、脳の老化を防ぐ効果もあります。昔の人はよく噛むことが身体に良いことを経験的に知っていたのでしょう。

②水分の摂り方に注意
胃液が薄まると消化能力が落ちて胃が弱るとともに、その後の胆汁や膵液分泌にも悪影響を及ぼすので、食事の前や食後2時間程は水分をできるだけ控えましょう。また味の濃いものを食べ過ぎると体が余計に水分を欲しますので注意しましょう。

 ①②ができないと…よく噛まないと食べ物がそのまま胃に入り、消化に手間取って(水分過多により胃液が薄まる)胃が弱るとともに、充分な消化がなされていない未消化物のまま小腸に行くので栄養の吸収が悪くなります。未消化物は腸内環境を悪化させ、悪玉菌を増やし腐敗物質を産生しやすくなります(便秘や下痢、血栓生成、免疫力低下、アレルギー体質、肝障害、高血圧、発ガン等の引き金に)

③酸味を利用する
料理の中にレモンや酢、梅干しなど、少し酸味のあるものを加えると唾液分泌が促進されます。

④リラックスして食べる
唾液腺は自律神経支配で、緊張すると交感神経が優位になって唾液の分泌量が減り、逆にリラックスすると副交感神経が優位になって唾液の分泌量は増えます。家族団欒、ゆったりくつろいで食事をという昔からの言い伝えはとても理にかなっています。

東洋医学には「痰は吐くべし、唾は飲むべし」という言葉があり、腎液である唾液は免疫向上や老化防止に役立つと考えます。1日3回、年間1000回の食事でしっかり唾液を出せば体質は変わります。①~④に注意して強い体質づくりを目指しましょう。

 *努力しても唾液が出にくい人
 ・服用薬の影響(抗うつ剤、鎮痛剤、利尿剤、抗パーキンソン剤、降圧剤などの副作用)
 ・老化、口や顎の筋力低下(腎虚や陰虚の進行)
   …対処法は店頭でご相談下さい。
■季節のコラム 腎虚と補腎薬■(2010年10月秋号より)

東洋医学では肝・心・脾・肺・腎の五臓の働きとバランスを重視しますが、こと持続力や回復力・免疫力・抗老化力という点では、特に「腎」に着目します。
腎には西洋医学でいう腎臓よりも幅広い働きがあり、成長・発育・生殖能力・ホルモン分泌・免疫力・骨格維持・脳の活動などに関与し、生命活動全般を維持する中央司令室の役割をします。木に例えれば、木の成長・維持をコントロールする根っこの部分です。
腎のエネルギー量(腎精)は先天的に決まっているので、生まれつき虚弱だったり、病気を繰り返したり、予防養生をせず体に負担をかけ続けていると腎精の減少⇒機能低下や老化促進 が進んでしまいます。
ハイブリッド車のようにガソリン(食事からの栄養)による運転でのバッテリー(腎精)充電はほとんどできないので、できるだけ若いうちから腎の弱り…すなわち腎虚(じんきょ)に注意し、体の機能低下や老化を予防しておくことが大切です。

《腎虚により起こる症状》

●成長発育障害  ●夜尿症  ●虚弱体質
●冷え・低体温  ●のぼせ・ほてり  ●不妊症
●生理不順  ●更年期障害  ●自律神経失調
●不眠・不安  ●血圧異常  ●息切れ・動悸
●乾燥性皮膚炎  ●シミ・しわ  ●白髪・脱毛
●足腰の弱り  ●腰痛・膝関節炎  ●神経痛
●骨折・骨粗鬆症  ●耳鳴・難聴  ●歯の弱り
●眼病・眼精疲労  ●膀胱炎  ●尿漏れ・頻尿
●腎炎・糖尿病  ●慢性のむくみ  ●慢性疲労
●新陳代謝低下  ●気力低下  ●病気が慢性化
●感染症・発熱  ●精力減退  ●動作が鈍い
●認知症  ●口渇・味覚異常 ●内臓機能低下

腎虚はおおまかには機能低下・老化症状ですが、子供や若い人でもたいへん多く存在しています。
また、お肌の若返りという意味合いでアンチエイジングという言葉が最近よく使われますが、本来アンチエイジングとは抗老化という意味で、お肌だけでなく全身の老化をコントロールする(遅らせる)ことが本来の目的です。
生物は加齢を止めることができませんが、人間の場合は努力により老化のスピードを変えることができます。実年齢が60歳でも肉体年齢では50歳の人もいれば70歳の人もいます。前者はまさに抗老化に成功している人で、その特徴は「肉体年齢が若い」「実年齢よりも若く見える」ことです。こういった人は老化のカーブが緩やかなため、体の故障が少なく、長生きする可能性が高いのです。
腎虚を治す・予防することを「補腎」といい、腎に力を与えるのが補腎薬です。補腎薬は同時に内臓・血管・神経・骨・免疫を強化する働きもあるので、まさに抗老化の主役といえます。抗老化は一日にして成らず…しかし生活に気を付け、補腎を継続できれば3~5年後の変化(肉体年齢の若返り)は明らかです。

《補腎薬の例》
 *レオピンロイヤル…腎陽虚(冷えや低代謝)に
  *瓊玉膏…腎陰虚(のぼせや皮膚粘膜の炎症)に
  *エナックW…更年期症状や神経症状に
  *補精源…集中力や思考力の低下に
  *通竅…皮膚粘膜のアレルギー症状に
■季節のコラム 正しい水分の取り方■(2010年8月盛夏号より)

1日に水を2リットルは飲まなければならない…と信じていませんか? 成人の場合、体内の水分量は体重の60%程度ですが、このバランスを崩すと、つまり多すぎても少なすぎても健康を損なうことが報告されています。

《水分の基礎知識》
①水分には体温調節・血液粘度を調節・老廃物を排泄・体液成分となる などの役割がある
②汗・呼気・大小便などから体外へ出ていく水分量は1日に約2500ml ⇒ 同量を補給する必要あり
③食事の固形食物や汁ものの水分で約1000ml摂取、代謝により体内で約300mlが生成される
④よって一般的な身体活動時に必要な、液体としての水分量は1日に約1200mlとなる
⑤発汗量・尿量が少ない場合は必要量は減少する(発汗量が多い場合は必要量は増加)

《必要以上に水分を取り過ぎると》
水分は無制限に摂ればよいというものではありません。もともと水には熱を奪う特性があり、1日に必要とされる量以上に摂りすぎると体内に溜まり、内臓を冷やしたり、胃腸障害(食欲不振・消化不良・口内炎・急性胃腸炎・下痢など)を起こしたり、心臓(心房細動のリスクが増加)や腎臓に負担をかけたりします。また冷水を摂っている場合、温かいおしっこを出しているということは、体から熱が奪われているということに他なりません。
日本の気候風土では(雨天時に洗濯物が乾きにくいのと同様に)多湿時には体内の水分は滞りがちになります。そんなときにせっせと水分補給をしていては先に述べたリスクが高まるばかりです。

東洋医学では、胃を冷やし胃に水が溜まると、咳・痰(ゼンソク)が悪化したり、鼻水鼻づまり(鼻炎)・耳鳴り・めまい(メニエル)・頭痛・むくみなどを起こす原因になると考えますし、夏バテも、胃腸の働きが弱くなり、食物の消化吸収が低下し、身体が栄養不足になるために起こることが多いので要注意です。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言われるように、身体によいものでも摂り過ぎることは摂らないことと同じくらい害になることを忘れないで下さい。

《水をめぐる間違った常識》
「血液ドロドロをサラサラに、血栓を防止する」
…水には、血液が固まる(血小板やフィブリノーゲン が凝集して血栓が形成される)のを防ぐ働きはありません。脱水症時の水分補給は血液の凝固能が低減する可能性はありますが、普通の人が必要以上に水分を摂取しても意味はありません。

「便秘がなおる」
…水で便が軟らかくなったり、腸内環境が改善されるということはありません。大量の水分で軽い下痢状態を起こして排便できる可能性はありますが、消化吸収と腸内環境の面からは不利になります。

《水分の上手な摂り方》
①一度に多量の水を摂らず、こまめに補給する
 …1日にコップ5~6杯で十分です(お薬服用時の水やお茶、コーヒーなども含む)
②唾液(血液濃度を調節・口渇を軽減する作用あり)を混ぜながら飲み込む習慣を心がける
③水分は常温~40℃前後で補給する
④冷水はクチュクチュしてからゆっくり飲み込む(口内を冷やして、胃を冷やさない)
⑤食事中の水分は控え、食後しばらくしてから摂る
⑥気温が下がる夕方以降の水分は控えめにする
⑦高齢者は寝る前と起床時に必ず水分を摂る

*アルコールは水分とは考えません。
 アルコールには利尿・発汗・脱水作用があり、摂取により逆に体内の水分が不足してしまいます。
 (アルコール類は水分と一緒に摂ることにより二日酔い予防ができます)

*腎臓結石・ヨウ素過剰・横紋筋融解症・消化管欠損・特別な薬を処方されている場合などは医学的根拠に基づいて、また脱水症状を起こしやすい乳幼児・高齢者・衰弱者はリスク低減のために、水分を積極的に摂る必要があります。

以下は、英国の医学雑誌「ランセット」に掲載された“飲水狂時代”の内容抜粋です。
・1日2リットルの水分摂取を勧める医学的根拠なし
・運動選手の水分過多は逆に危険(低ナトリウム血症)
・水分摂取による便秘解消効果はない
・飛行中の水分過多は骨盤や下肢の静脈に負担増
・水分摂取の押しつけは90年代初期から増幅されてきた誤った情報
・のどが渇いたら飲みすぎに気をつけて飲むことが自然…摂取量を計算して水を飲むのはやめよう

私も店頭では以前から「水・味・夕食時間を守れ」という話をよくします。水分は自分の体と相談して、適切に摂りましょう。夏バテや冷房病に注意して、暑い夏も元気にお過ごし下さい。
■季節のコラム 心の病■(2010年6月夏号より)

店頭でたいへん多いご相談に「心の病」があります。軽症から重症の方まで、多くの方が相談時に安定剤や抗うつ剤を服用されているのですが、決してよくなっておられないのはなぜなのでしょうか。
例えばうつ病の場合、英国では「カウンセリング⇒本人に原因を認知させて解決行動を探る⇒補助的に投薬する」という流れがあるのですが、日本の場合、精神科や心療内科では薬物療法が中心で、うつの原因を解決する方法を提示しないためだといわれています。が、これまでの臨床経験から、私は漢方薬・自然薬と行動療法でかなりの「症状改善」と「再発防止」が可能だと考えています。

人はストレスを受けると…
・易怒、不眠、不安、焦燥、物忘れなどの精神症状
・頭痛、肩こり、胃腸障害、皮膚炎などの身体症状
・飲酒、大食、拒食、暴力、無気力などの行動症状
が現れます。ストレスが強かったり長引くと身体症状から内臓疾患や代謝疾患を引き起こしますし、逆に忙しい生活や休息できない状況が続くとストレスに対する防御力が弱くなり、精神症状や行動症状からうつ病を引き起こします。「心」と「体」は同じ器の中に入っているので、一方だけが影響を受けたり弱るということはないのです。
そこで、店頭では常に両方のバランスを取る養生法・治療法をご紹介しています。

『養生法』…人間には自律神経が自動制御している体内(日内)リズムが存在します。
*交感神経が優位なとき…ストレス状態
 細胞自傷・血流体温低下・血糖血圧上昇・精神興奮
*副交感神経が優位なとき…リラックス状態
 細胞修復・血流体温上昇・血糖血圧低下・精神安定

昼間の交感神経優位、夜間の副交感神経優位は変えることができないので、そのことを理解していただいたうえで生活養生を行います。基本的には副交感神経優位を目指すのですが、具体的な実践(行動療法)については店頭で生活状況を確認したうえでアドバイスしています。

『治療法』
①体の側から…漢方補益剤レオピンロイヤルその他 を使用して、体力・内臓力・免疫力をアップさせると ともに、交感神経緊張による血管や内臓細胞の自損 自傷から体を守ります。
②心の側から…漢方安神剤エナックWや漢方処方薬 を使用して、自律神経の偏りや回復力を高めるとと もに、ストレスに対する対応力を高めます。
③栄養面から…食事内容に不足や偏りがある場合は 是正(内臓や神経細胞が新陳代謝できるように) するための補助食品を使用し、①②を補佐します。

①と②は必ず同時に服用してもらいます。どちらか一方では効果は半減します。かかる時間に個人差はあっても、養生・治療法の継続で多くの方は症状が改善し、また治療薬服用を減少~中止できています。
ただ、この時点ではまだ治りかけなので、安心して養生・治療法を止めてしまうとたいてい再発します。治ったといえるのは再発しなくなったときです。
当方の養生治療法で症状が改善し、新薬も服まないでよくなり、再発を免れている人たちの多くは以下のことが実践できています。

§原因(過労・体力低下・体質や生活の偏り・対人
関係・精神疲労)とその結果現れる症状を理解・
受容し、原因を減らしたり転換したりする方法を
  身に付けている(…認知行動療法)
§心身にとって絶対的不利となる 「内臓の弱り」 「体の冷え」 「睡眠不足」 に常に注意している
§心身を守るための①②を継続服用し続けている

残念ながらストレスや疲労がなくなることが難しい現代の社会です。防御力を高める漢方薬・自然薬、対処力を高める養生法と行動療法こそが「症状改善」と「再発防止」のカギになると考えます。
詳しい話をお訊きになりたい方は店頭でどうぞ。
■季節のコラム 春の健康管理2■(2010年4月春号より)

疲労やストレスがたまりやすい生活を続けていると、自律神経の乱れから体は冷えやすくなります。
冷え症でなくても、のぼせる症状がある人でも、足が冷えたり体温が元に戻りにくくなるのです。
また花冷えや梅雨寒などどいった言葉があるように、暖かな季節であっても日本の気候風土では基本的に一年を通して冷えに注意しないといけません。
生命力が最も活発になる理想体温は36.5(~37)℃…内臓の活動を支える体内酵素(エンザイム)が活発に働き、新陳代謝・血行ともによい状態で、健康を保つのに理想的な体温です。これに対して36.2℃以下を低体温といい、新陳代謝・血行・排泄機能が不活発になり、むくみや便秘、肥満、自律神経やホルモンバランスの乱れ、免疫力低下による諸症状が現れやすくなったり、様々な病気にかかりやすくなります。

ちなみに体温が1℃下がると…
・基礎代謝は12%低下します
・免疫力は37%低下します
・酵素活性(解毒力)は50%低下
…うつ・ガン・不妊では平熱34、35℃台も

《冷え・疲労・ストレスから体を守りましょう》
①生冷物(生野菜・果物・茶)は摂り過ぎに注意しましょう
②タンパク質(アミノ酸)を毎食摂るよう心がけましょう
③ウオーキング等で気分転換(副交感神経優位に)、ストレッチ運動で基礎代謝アップを計りましょう
④過労や睡眠不足に注意(特に夜間の休息を忘れずに)
⑤肝(自律神経の働きや代謝の土台となります)を補う食品を適度に摂りましょう
 …リンゴ ブドウ 梅 レモン ビワ
 暑がりの方は…ミカン ナシ セロリ パセリ ゆず
 寒がりの方は…モモ キンカン ライチ 酢
■季節のコラム カゼタイプ■(2010年2月冬号より)

漢方ではカゼを症状ごとに分類し、そのタイプに応じたケアをします。この分類はインフルエンザや慢性鼻炎、花粉症でも有効です。

①青いカゼ(風寒)
ゾクゾクする寒気があり、鼻水・くしゃみ・頭痛がする
いわゆる冬カゼタイプ(青白い顔色が多い)です。体を温めながら発汗させます。生冷物や冷たい飲み物は控え、ネギやショウガで発汗を促しましょう。
漢方薬では香蘇散・葛根湯・麻黄湯を使います。
②赤いカゼ(風熱)
のどの腫れや痛み、急な発熱~高熱など流行性感冒や冬カゼ悪化時、夏カゼで見られるタイプ(赤い顔色が多い)です。このタイプは熱を冷まし、炎症を抑えることが必要です。食材では菊花やミントを加えたお茶や大根・キュウリなどがお薦めです。
漢方薬では天津感冒片・麻杏甘石湯を使います。
③黄色い風邪(風湿)
下痢や吐き気を伴うカゼで、ウイルスにより胃腸粘膜が炎症を起こすタイプ(黄色い顔色が多い)です。このタイプは体内に滞っている余分な水分を取り除くことが重要です。食材ではシソやショウガがお薦めです。漢方薬では勝湿顆粒・柴苓湯を使います。
④年中のカゼ(虚証)
しょっちゅうカゼをひいている、常に鼻水や鼻づまりがあるというタイプです。過労と冷え、水分の摂り過ぎに注意する必要があります。漢方薬では通竅・補気建中湯・玉屏風散を使います。

漢方薬は服用のタイミングが遅れる(時機を逸する)と効果が現れにくくなりますので、適切に対処するためには基本的な漢方感冒薬は常備されておくとよいでしょう。
■季節のコラム 冬の健康管理2■(2009年12月冬号より)

冬は、低温・乾燥などにより、体の陰陽の気を多く消耗し「腎」が弱る時期です。この季節は、夜は早く寝、朝はゆっくり起きて、寒気に負けないよう体を温める必要があります。また、精神的にも焦らず安らかに生活することが肝要です。これに逆らって、過労して汗をかきすぎたり、寒気に長く触れて体を冷やしたり、体内の陽気をむやみに逃がすと、腎を弱らせてしまい、免疫力が低下して病気につながります。
東洋医学では冬を「封蔵」といい、ものを納める季節という意味があります。冬は、エネルギー消費を抑えると同時に、春の身体の芽生えに備えてエネルギーを蓄えておくことが重要なのです。
これからは「補腎」を心がけて、精気を補い、助け、貯えましょう。冬の養生が上手にできれば、腎精が充実して一年を元気で、病気をせずに過ごせます。

《こんなことに気をつけましょう》
①軽い散歩や入浴で血液循環をよくしましょう。
②生食は避け、温かい料理を摂るようにしましょう。
③帰宅時は必ずうがい(温湯で行なうのが効果的)と手洗いをしましょう。
④感冒・流感のウイルスは低温・乾燥が大好きです。室内は保温・加湿しましょう。
⑤寒性食品を食べ過ぎないようにしましょう。
  ミカン バナナ 柿 トマト ダイコン キュウリ ナス タケノコ 白菜 ほうれん草 生野菜 海草 豆腐 豚肉 刺身 豆乳 コーヒー 緑茶 ウーロン茶
⑥温性食品を食べるよう心がけましょう。
モモ キンカン アンズ 栗 クルミ カボチャ ニンニク シソ ネギ ショウガ 餅米 牛肉 鶏肉 羊肉
アジ ウナギ エビ サケ マグロ
(⑤⑥はバランスが大切です。適度に摂りましょう)
■季節のコラム 秋の健康管理■(2009年10月秋号より)

体力や免疫力というものは、常に数ヶ月前の体調や生活状況を反映します。この夏、元気だった人は夏前までの体調や生活が安定していたはずです。逆に夏バテや今の時期に体調不良がある人は、今冬に体調を崩しやすくなります。病気の原因と体に現れる症状にはこのように時間のズレがあるのです。
これからの季節は特に「鼻-肺(気管支)-大腸-皮膚」のトラブルが起こりやすく、カゼ・気管支炎・喘息・咳・鼻炎・アトピー・胃腸の不調・皮膚病・神経痛・関節痛・冷えなどの不調が多くなります。秋冬の健康維持には、まず現在の元気力アップ、次に適切な栄養補給が大切です。体の不調は早めにご相談下さい。

《こんなことに気をつけましょう》
①香味野菜や種実類は、夏に疲れた内臓の体力回復や安眠に役立つとともに、秋冬の寒冷(邪気)が体内に侵入する(傷寒)のを防いでくれます。積極的に摂るよう心がけましょう。
②生もの・冷たい料理や飲物は控えめにしましょう。よく噛んで唾液をしっかり出し、食事中の水分を控えると胃の弱りを防ぐことができます。
③適度な運動やウオーキングで酸素を積極的に取り入れましょう。ただし運動のしすぎ(発汗過多)は体を冷やし、肺を弱めるので気をつけましょう。
④乾布摩擦や温冷浴等で皮膚表面を鍛えると、肺と自律神経の鍛錬になります。
⑤肺を補う食べ物を憶えておきましょう。
  里芋 銀杏 豆乳 牛肉 アーモンド
*特に暑がりの方には … 大根 ゴボウ キュウリ 柿 梨
*特に寒がりの方には … ショウガ ニンニク シソ ネギ
がオススメです。適度に摂るよう心がけましょう。
■季節のコラム 夏の健康管理■(2009年8月盛夏号より)

東洋医学では、夏は心臓・小腸・血管が弱りやすく、特にこれからの時期の夏バテや様々な不調症状は「心の弱り」から来るものと考えます。
また日本独特の高温多湿の気候が「暑邪」「湿邪」を増加させ、脾胃(胃腸および肝臓)の働きを低下させるため、食物を消化吸収する力が落ちたり、消化吸収した栄養からエネルギーや血液・細胞などを造る力が低下します。そのため全身の倦怠や胃腸障害・アトピーなどの皮膚病・血行障害による血圧異常・凝りや痛み・しびれの症状なども現れやすくなります。
7・8月は1年のうちで体力が最も低下する時季です。心臓と胃腸をいたわって、夏バテを予防し免疫力を高めておきましょう。

《こんなことに気をつけましょう》
①汗のかきすぎは心臓に負担をかけ、体を弱めます。ご注意下さい。(汗は心液)
②朝は熱めのお風呂にさっと、夜はぬるめのお風呂にゆっくり入りましょう。体にお湯と水を交互にかけると自律神経の鍛錬に役立ちます。
③生もの・冷たい料理・ビールや飲物は控えめにしましょう。よく噛んで唾液をしっかり出し、食事中の水分を控えると消化しやすくなります。
④さらに酸味で唾液分泌を促進し、胃腸・肝臓の働きを助けましょう。(酢・酢醤油・梅干し・レモンなど)
⑤心を補う食べ物を憶えておきましょう。
  ギンナン 春菊 卵黄 牛乳 ハチミツ
*特に暑がりの方には … 茶類 スイカ レタス レンコン マクワウリ 緑豆
*特に寒がりの方には … ししとう モモ リュウガン 干しナマコ
がオススメです。適度に摂るよう心がけましょう。
■季節のコラム 梅雨の健康管理■(2009年6月夏号より)

梅雨から夏にかけての時期は湿度が高くなるとともに大気中の酸素量が低下するため、内臓…特に脾胃(胃腸と肝機能の一部)の働きが低下し、食べ物の消化吸収力が落ちたり、消化吸収した栄養からエネルギーや血液・細胞を造る力が低下します。
その結果、だるさや食欲不振・胃炎・腸炎・肝炎などの脾胃症状、アトピー・湿疹などの皮膚症状、血圧や自律神経・更年期障害等の内分泌症状、神経痛・リウマチ・腰膝痛などの疼痛症状が特徴的に悪化します。
また特に高温多湿となる夏には心臓・血管に負担がかかりやすく、夏バテ・高血圧・動悸・息切れ・立ちくらみ・めまい・低血圧・低体温などが悪化します。

《こんなことに気をつけましょう》
①深呼吸・散歩・体操などで気分転換&リラックス(副交感神経優位に)する時間を作りましょう。
②朝は熱めのお風呂にさっと、夜はぬるめのお風呂にゆっくり入りましょう。体にお湯と水を交互にかけると自律神経の鍛錬に役立ちます。
③生もの・冷たい料理・ビールや飲物は控えめにしましょう。よく噛んで唾液をしっかり出し、食事中の水分を控えると消化しやすくなります。
④さらに酸味で唾液分泌を促進し、胃腸・肝臓の働きを助けましょう。(酢・酢醤油・梅干し・レモンなど)
⑤脾胃を補う食べ物を憶えておきましょう。
  大豆 黒豆 キャベツ サツマイモ ニンジン ブドウ
*特に暑がりの方には … 豚肉 豆腐 あさり 昆布 キュウリ 大根 トマト ナス ソバ
*特に寒がりの方には … 肉(牛・鶏・羊) 納豆 カボチャ 小松菜 ショウガ 栗
*雨降り(前)に体調や持病が悪化する人には … アズキ ハトムギ 南蛮毛 トウガン ショウガ 春菊
がオススメです。適度に摂るよう心がけましょう。
■季節のコラム 春の健康管理■(2009年4月春号より)

春は…植物を見ればわかるように…伸びやかに成長・発育・上昇することに適した季節で、東洋医学では自然界の春の性質を生体内で具現する臓器が「肝」(…肝臓・胆のう・目・筋肉・自律神経系・内分泌系を含む)だと考えています。
肝には、他の臓器の働きをスムーズにしたり、全身の血液やエネルギーの流れをよくして活動カや抵抗力の源となったり、ストレスヘの対応力やホルモン分泌を調節したりする、体内の『コントロールタワー』としての働きがあるのです。
したがって肝の感受性の高くなる今の時季に無理をしますと、肝や他の臓器・自律神経・内分泌が乱れ、アレルギー、肝臓・胆のう・膵臓・胃腸の不調、倦怠感、不安感、不眠、イライラ、動悸、目の疲れ、めまい、血圧異常、頭痛、肩こり、筋肉痛、痺れ、生理不順、自律神経失調等の様々な歪みを体にもたらしてしまいます。

《こんなことに気をつけましょう》
①香味野菜(ハーブ)・緑黄色野菜・海草・酸味食品、カルシウムを積極的に摂り、肝の働きをスムーズにしましょう。アルコール、刺激物はほどほどに。
②深呼吸・散歩・体操などで気分転換&リラックス(副交感神経優位に)する時間を作りましょう。
③朝は熱めのお風呂にさっと、夜はぬるめのお風呂にゆっくり入りましょう。お湯と水を交互に体にかけると自律神経の鍛錬に役立ちます。
④過労と睡眠不足は回復力を低下させます。特に体の回復時間帯である夜間はしっかり休みましょう
⑤肝を補う食べ物を憶えておきましょう
  …リンゴ ブドウ 梅 スモモ レモン
 特に暑がりの方には …ミカン ナシ セロリ パセリ ゆず
 特に寒がりの方には …モモ キンカン ライチ らっきょう 酢
 がオススメです。適度に摂るよう心がけましょう。
■季節のコラム 冬の健康管理■(2009年2月冬号より)

冬は、気温が低い、空気が乾燥するなどで、一年の中で自然界の陽気が最も低下し、同時に生命の気の源である腎(腎臓・膀胱・副腎などの総称)の機能が低下する季節です。この時季に過労・睡眠不足・ストレス・心配事が多いと、年中体調を崩しやすくなります。
また、漢方の古典には“冬に養生すれば、春に虎を倒せるほど元気になれる”との記述もあります。
腎を大事にして、体の陽気を保護する冬の養生が上手にできれば、一年中元気となり、病気にならずに過ごせますよ。

①早寝し、十分な睡眠をとり、寒気を避け体を温める
冬場の働き過ぎや夜間の活動は体の陽気を損ないます。早く就寝し、十分な睡眠時間を保って、弱った陽気をしっかり補いましょう。

②飲食は「忌生冷・宜温潤」が基本
冬の食事の基本は温補です。まず以下のような寒性食品と水分の取り過ぎに注意しましょう。
ミカン バナナ 柿 トマト 生野菜 ダイコン キュウリ ナス タケノコ 白菜 ほうれん草 豆腐 豚肉 海草 魚介類(特に生食) 豆乳 コーヒー 茶 ウーロン茶 逆に、にんじんやニラ、ねぎ、カブなどの野菜は温補の品です。また大根、ごぼう、れんこんなどの根菜類や、ぶり、えびなどの海の幸を鍋料理や煮込みにする際には、唐辛子、こしょう、にんにく、生姜など、体を温める調味料を使うとよいでしょう。

③冬に体を鍛え、疾病を予防
冬は体を鍛えるチャンスでもありますが、運動しても疲労が残らないようにすることが基本です。
ウオーキングやストレッチ、軽い体操など、ゆっくり有酸素運動ができるものが最適です。

“正気があれば、邪気は体内に入らない”しっかり養生して「正気…体力・免疫力」を貯えましょう。
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